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「ええっ、嘘でしょ!?」ドジャース佐々木朗希3回またぎは“想定外”だったNHK解説者…ロバーツ監督と直接話して気づいた「大胆起用」の理由
posted2025/10/11 17:02
10回表、よもやの3イニングまたぎを投げ切った佐々木朗希をベンチから出て迎えるロバーツ監督。小早川毅彦氏はこの決断に驚愕した
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小早川毅彦Takehiko Kobayakawa
photograph by
Getty Images
まったく意外な幕切れでしたが、デーブ・ロバーツ監督の決断はそれ以上に、私にはまったく想定外でした。ドジャース対フィリーズの地区シリーズ第4戦、ドジャースが勝ち抜けを決めた試合のことです。
私はNHKでの解説のために、ワイルドカードシリーズからドジャースと一緒に移動してきました。地区シリーズ、敵地フィラデルフィアで2連勝したあとにNumberWebでもお話ししましたが、ドジャースは王手をかけたものの、変な余裕を持たずに一気に第3戦で決めるほうがいいと見ていました。フィリーズの超強力な上位打線、トレイ・ターナー選手、カイル・シュワーバー選手、ブライス・ハーパー選手らを沈黙させて連勝できましたが、彼らが目覚めて本領を発揮しだしたら、シーズン勝率で上のフィリーズは一気にくる、と。
第3戦の敗戦でドジャースに重圧
その懸念はある程度当たったと申しますか、第3戦はいまや大黒柱の山本由伸投手がシュワーバー選手に一発を浴び、さらにリリーフにつぎ込んだ今季で引退のレジェンド、クレイトン・カーショウ投手も痛打されて2-8と大敗してしまったわけです。
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こうなると、ドジャースはまだ星ひとつリードしてはいるんですが、勢いからするともう並んでしまった、ぐらいの感覚があったんじゃないでしょうか。もしこれで第4戦も落とせば、私も大いに驚いた熱狂的なファンが後押しするフィラデルフィアに戻って、アウェーでの試合です。かなり分が悪くなると感じるのは当然でしょう。
おそらくロバーツ監督はじめ、チームもここで決める、決めなければと強く思って迎えたであろう第4戦は、先発のタイラー・グラスノー投手の力投で、緊迫した投手戦になりましたね。パワーピッチャーらしい、彼本来の投球ができていました。一方フィリーズの左腕クリストファー・サンチェス投手も、初戦と同様、丁寧なピッチングで大谷翔平選手らを抑え込みます。これについてはまた後ほど述べましょう。

