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「ええっ、嘘でしょ!?」ドジャース佐々木朗希3回またぎは“想定外”だったNHK解説者…ロバーツ監督と直接話して気づいた「大胆起用」の理由
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小早川毅彦Takehiko Kobayakawa
photograph byGetty Images
posted2025/10/11 17:02
10回表、よもやの3イニングまたぎを投げ切った佐々木朗希をベンチから出て迎えるロバーツ監督。小早川毅彦氏はこの決断に驚愕した
なかんずく、最初に申し上げたように、フィリーズがこれ以上勢いづく前に必ずホームで勝ってしまいたい、この日はそういう試合でした。この大舞台では気後れするような選手は使いづらいものです。最近の自信喪失状態のドジャースブルペン陣のなかで、気迫を前に出すタイプのアレックス・ベシア投手と、自信を回復して這い上がってきた佐々木投手を起用するのはわかるのですが、それにしても3イニングとは。
ロバーツ監督の人間性と勇気
実は第3戦の前に、球場でロバーツ監督とお話しする機会があったんです。戦術的な話をしたわけではなくて、私が法政大学時代にドジャースタジアムでプレーして、当時のトミー・ラソーダ監督と記念撮影してもらった写真を見せて、昔話などをしました。するとロバーツ監督は「それなら、私とも同じ構図で撮影しないといけませんね」とポーズなどスタッフに細かく指示を出して写真を撮ってくれたんです。
そういう細かい配慮ができる人だからこそ、選手の心理を読むことにも長けているのかな、と感じました。そしていける、と感じた選手はどこまでも信頼する。まあ、その起用は信頼しすぎなんじゃないの、というときもありますが(笑)、そこは表裏一体ですね。今回の佐々木投手の続投については、本当にロバーツ監督の信頼と大胆さ、勝負師ぶりがうまく働きました。本当に、私には思いもよらない決断でした。だからこそ、放送では「ロバーツ監督の勇気」を試合のポイントに挙げたわけです。
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さて、後編ではこれからのリーグ優勝シリーズのキーマンについて考えてみましょう。
〈つづく〉

