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「ファンやメディアは不安視していたが」米国人記者ズバリ…大谷翔平ドジャース加入直後に「オオタニ、規格外だ」なぜロバーツ監督は驚嘆したか
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J・P・ホーンストラ/田代学/丹羽美佳子J.P.Hoornstra/Manabu Tashiro/Mikako Niwa
photograph byMediaNews Group/Pasadena Star-News via Getty Images
posted2025/10/06 06:00
常勝ドジャースを引っ張る大谷翔平。アメリカ人記者の目にはどのように映っていたのか
ドジャースの春季キャンプ地は、州都のフェニックス中心部から北西へ約14キロのグレンデール。キャメルバックランチという広大な練習施設をシカゴ・ホワイトソックスと共用しており、グラウンドは13面ある。
大谷と水原一平通訳は5日、黒の2023年型ポルシェ・パナメーラで選手用駐車場に入った。車を降りた大谷は、青いTシャツと短パンに着替え、ケージ内でマシンを使って打撃練習を行った。目まぐるしい日々だったはずだが、せわしないペースの中でうまくスケジュールを管理していた。投手陣と捕手のキャンプ入りまで4日ある中、右肘の回復は順調そうだった。
春季キャンプで大谷へ最初に向けられた疑問が、打者としての出場許可がいつ出るかだった。ファンやメディアは開幕に間に合うか不安視していたが、首脳陣とパフォーマンススタッフは、その回復ぶりにただ驚嘆していた。
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「新しいチームになるので、1年目の気持ちで環境、チームメートに慣れることが最優先かなと思います。みんな話しやすい人ばかり。たくさんの人に挨拶するので、2回目の挨拶に行かないようにしないと。一発で覚えるようにしないといけない」と9日にキャンプイン。12日には屋外で初のフリー打撃を行い、J・T・ワトキンス・コーチを相手に21スイングし、10本の柵越えを放った。
ロバーツ監督の考慮も無用とばかり大谷は…
グリップエンドにはスイングスピードやバットの軌道などを計測できる機器を装着。「最後の2、3スイングは90(%)くらいの力加減で打っています。(スイングスピードも)それぐらいの数値だし、むしろ高い感じ。いい傾向だと思います」。感覚とデータをすり合わせながら、理想の打撃フォームを取り戻そうとしていた。
そして27日のシカゴ・ホワイトソックスとのオープン戦で、移籍後初の先発オーダー入りを果たした。注目の打順は2番だった。
デーブ・ロバーツ監督は、キャンプ序盤に大谷、フレディ・フリーマン内野手(ブレーブス時代の2020年にナ・リーグMVP)、ムーキー・ベッツ内野手(レッドソックス時代の2018年にア・リーグMVP)と面談した。このMVPトリオを1~3番に置くことは決めていたが、並びは迷っていた。そのため3人を部屋に呼んだ。大谷は何番でも構わないと言った。ベッツは1番か2番がいいと答えた。フリーマンの希望は2番か3番だった。
「だから3人に、ムーキーが1番、ショウヘイが2番、フレディが3番と伝えた」とロバーツ監督はそう明かした。それで決まりだった。

