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猛牛のささやきBACK NUMBER
上位チームが恐れる3位オリックスの“剛腕”「やっぱり別格」山下舜平大(23歳)腰椎分離症を克服してCS下剋上へ「どんな手でも使って勝ちたい」
text by

米虫紀子Noriko Yonemushi
photograph byKYODO
posted2025/10/03 11:16
シーズン終盤に復活した若き剛腕・山下
丹念に繰り返す「準備」
試行錯誤の末、今重要視しているのは、投げるまでの準備だ。
「自分の体を理解しようとやってきて、だいたいわかってきました。今はもう、球数とか、球速とか、出力に制限をかけることは一切していません。そこは全力で出しにいく。ただそれ以前の、動き始めるまでに体をいかにニュートラルな状態に戻すかという作業に時間をかけています。そのアライメント(体の軸や骨、関節を正しい位置に配置すること)の部分が原因だったのかなと思っているので」
毎日朝から球場に来て約2時間、ストレッチやアライメントを調整するエクササイズを行い、登板日はさらに、マウンドに上がる前にも1時間半ほどそれを行う。
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試合中も毎イニング、マウンドから戻るたびにベンチ裏で腹圧を高めるトレーニングを行って次の回に備えている。
「腹圧が抜けたら腰にくるので。マウンドに上がって、帰ってきて、整えて、また上がって、の繰り返しです」
狙って奪った連続三振
予防を徹底しながら出力を上げる。このやり方で7月から少しずつファームで実戦を重ね、9月に一軍合流。今季初登板となった9月7日の日本ハム戦では、いきなり157kmを連発し、5回3安打2失点と試合を作った。18日の西武戦は変化球も冴え、7回2/3を7安打1失点に抑えた。ただ先制した後の8回裏に失点し、チームの勝利につながらなかったことを悔やんだ。
今季3度目の先発で、CS進出がかかった27日は、前回登板の反省を生かし、要所でギアを上げ相手に得点を許さなかった。

