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猛牛のささやきBACK NUMBER
上位チームが恐れる3位オリックスの“剛腕”「やっぱり別格」山下舜平大(23歳)腰椎分離症を克服してCS下剋上へ「どんな手でも使って勝ちたい」
text by

米虫紀子Noriko Yonemushi
photograph byKYODO
posted2025/10/03 11:16
シーズン終盤に復活した若き剛腕・山下
5回表は宗山塁に二塁打を打たれたが、次打者の村林一輝をフォーク、小郷裕哉を157kmのストレートで連続三振に切って取る。まさに“ねじ伏せる”山下らしいピッチング。
あの場面は三振を狙ったのかと聞かれると、「そうですね」と頷いた。
「カウントが進むにつれて感情は変わりますけど、前に飛ばさせないようには意識して投げていました。変化球もいいところに決まりましたし、まっすぐも空振りを取れたので、狙えるところは(三振を)狙って。結果的に三振になったところもありますけど、取れたのでよかったです」
「宮城さんが明日、アレなんで」
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5回裏に紅林弘太郎の2点本塁打で先制すると、6、7回もきっちり0を並べてチームを勝利に導き、自身の今季初勝利につなげた。
だが約1年ぶりの勝利を喜ぶよりも、今季初勝利がこの時期になった自分を責めているようだった。
「この1年、シーズン中はほぼ全部怪我していたので……。ここまでくると、自分の勝ちは正直どうでもよかったので、チームが勝つために何をするべきかというのをこの3試合は考えました。バッターが先制してくれたので自分に勝ちがついたんですけど、チームが勝ったこと、それがすべてかなと思います」
ただ、勝てばCS進出が決まるこの試合、“自分が決める”と燃える部分はあった。
「宮城(大弥)さんが明日、アレ(先発)なんで。譲らないし譲れないし。今日決まらなかったら、『やっぱりエース(が決める)』みたいになっちゃうじゃないですか。それは悔しいじゃないですか。ま、宮城さんには明日、気楽に投げて欲しいんで(笑)」

