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「見切り発車で航空券を買って」MLB最強捕手の自主トレに突撃! “フレーミング伝道師”の情熱「ウーバー配達から日本キャッチャー界の改革者へ」
posted2025/09/20 11:05
フレーミング技術を伝える情熱が、緑川さんをメジャー最強キャッチャーのもとにまで導いた(写真:本人提供)
text by

熊崎敬Takashi Kumazaki
photograph by
Hiromu Midorikawa
“フレーミング伝道師” 緑川大陸さんは今年1月、アメリカはテキサスに飛んだ。目的は当時ニューヨーク・ヤンキース、現在はシンシナティ・レッズに所属するホセ・トレビーノの自主トレに参加するため。トレビーノは2022年、フレーミングにおいてメジャー指標トップを記録し、ア・リーグのプラチナグラブ(その年のゴールドグラブ受賞者の中で各リーグでひとり、もっともすぐれた守備者に贈られる賞)に輝いた名手である。
見切り発車で航空券を買った
ふたりの交流はインスタグラムを通じて始まった。緑川さんがトレビーノのインスタをフォローしたところ、フォローバックされたのだ。
「どうやら、おもしろいフォロワーが来たと思ってもらえたみたいで。あなたのフレーミングをすごく参考にしていて、日本の子どもたちに“こういうキャッチャーになるんだぞ”と言っていますと伝えたところ喜んでもらえて、そこからミットのことや日本のキャッチャー事情について情報交換をするようになりました。
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その中で、いつか会いたいということを再三伝えていたんです。ヤンキースがワールドシリーズに出たことでオフが短くなったんですが、1月なら会えるかもと言われたので、なかば見切り発車でエアチケットを買っちゃいました」
円安に加えてアメリカでは物価の高騰が進んでいるが、彼は飛行機もホテルもレンタカーも押さえ、「この時期はテキサスにいます。一日でも会えるなら会ってください!」とメッセージを送った。ちなみに緑川さんに英語を話せるかたずねたところ、「全然です。でも翻訳アプリをつかえばなんとかなるので」と明るい答えが返ってきた。
行けばなんとかなる!
やりたいことは全部やる。行けばなんとかなる。それが緑川さんの生き方。果たしてテキサス滞在中、トレビーノの自主トレに毎日付き合うという幸運に恵まれた。

