寺地隆成19歳「もう一回見せてください」オリックス・若月健矢に頭を下げてブロッキング特訓…“ロッテのホープ”が球宴で貫いた貪欲な学びの姿

　2025年オールスターメンバーでただ一人の10代は、貪欲だった。今年8月に20歳を迎えるマリーンズの寺地隆成捕手は、監督選抜でオールスター出場が決まると最初に出場メンバー表をチェックした。

まず話を聞きたかった2人の選手

　19歳は最年少。年齢が最も近い選手でも2つ年上のファイターズ達孝太投手だ。そんな状況でも物怖じすることなく、どの選手にどんな話を聞きたいかと考えを巡らせた。まず脳裏に浮かんだのは2人。1人は同じ捕手でファン投票1位にて選ばれたバファローズの若月健矢捕手だ。同じ捕手として全てにおける考え方を聞きたかった。そしてもう1人は今年の交流戦でMVPを獲得したホークスの柳町達外野手。同じ左打者として特に注目していた存在だった。

「最初は同い年の選手がいないのはこんなに孤独なものなのかぁ、と場の雰囲気に違和感を感じていました。でも先輩方が皆さん、優しくて気を遣って話しかけてくれた。それが結果オーライだった。2日間のオールスターで1日目はキャッチャー目線で色々と学んだ。

全パのホームを守った寺地　©JIJI PRESS

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　2日目はちょっと雰囲気にも慣れて余裕が出来てきたので、打撃部門で色々な選手から色々な事を聞くことが出来ました。皆さん本当にいい打者。どんな感覚で打っているのだろうとか、どういう感じで打席に入っているのか、とか。全員には聞けませんでしたけど、全員に聞いてみたかったくらいです」

　オールスター2試合を戦い終えた寺地は、充実した表情で夢の時間を振り返った。

兄のような優しさで話をしてくれた若月

　京セラドーム大阪での第1戦では、若月とキャッチボールを一緒にする約束をとりつけ、次々に質問を繰り出した。

「それぞれの感覚があるし、正解がないものもある」。そう前置きをしつつ若月は、兄のような優しさで話をしてくれた。特に技術的に苦戦しているスローイング、ブロッキング、キャッチングに関しては実際に目の前で実践しているところを食い入るように見つめた。パ・リーグ指折りのバファローズの正捕手。現役だから教えられる、なによりの生きた教科書だった。

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