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寺地隆成19歳「もう一回見せてください」オリックス・若月健矢に頭を下げてブロッキング特訓…“ロッテのホープ”が球宴で貫いた貪欲な学びの姿 

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梶原紀章(千葉ロッテ広報)

梶原紀章(千葉ロッテ広報)Noriaki Kajiwara

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posted2025/07/26 17:00

寺地隆成19歳「もう一回見せてください」オリックス・若月健矢に頭を下げてブロッキング特訓…“ロッテのホープ”が球宴で貫いた貪欲な学びの姿<Number Web> photograph by JIJI PRESS

オールスター第2戦ではタイムリーツーベースを放った寺地 

 第2戦の全体練習終了後に寺地は「もう一回、グラウンドで見せて欲しい」と無理を承知で頭を下げた。すると若月は「じゃあ、行こうか」と一度は脱いだキャッチャー防具を再び装着し、試合前セレモニーに向けた準備が始まりつつあったグラウンドで2人だけのブロッキング練習が始まった。目の前で実際に見た動きは、一番の気づきとなった。

「ずっと気になっている打者だった」

 スローイングに関しては、投げることに意識が向き過ぎである事を指摘してくれた。

「スローイングはまずは捕ることに集中する。そうじゃないと次はない。そこから初めて強いボールを投げることへと意識を移行する」と若月は言った。物事には順番がある。スローイングもまずは投手が投げるボールをしっかりとキャッチすることからスタートをする。起点はしっかりと捕ること。改めてのいい気づきになった。

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 同じ左打者の柳町にはなかなか声をかけられずにいた。1日目の全体練習を終え、試合に備えてストレッチをしていた時に同じように近くでストレッチを行いながら距離を縮めることを試みたが、勇気が出なかった。すると向こうから話しかけてくれた。そこから身振り手振り、打撃に関する話に聞き入った。「自分の中でずっと気になっている打者だった」と寺地は言う。キャッチャーとしてマスクを被り、打者の身近にいるからこそ感じられた凄みがあった。

「共通の感覚」が嬉しかった柳町との会話

「アウトになった際のなり方が違う。いつも、ただの凡打じゃない。本当に凡打だったと思える打球はほとんどない。そういう打者に自分も憧れる」

 寺地は独特の表現で説明する。同じ左打者としてどんな感覚を持ち合わせているか。どんな意識で打席に入っているのかを知りたかった。

「打撃は下半身からとおっしゃっていた。自分はどうしても上半身に頼ってしまう時がある。下半身で打たないと手打ちになるし全身の力が伝わらない。粘れない」

 改めて下半身を使った打撃の大事さを確認した。同時に、尊敬するバッターと同じ感覚を持ちながら打っていることも知った。

「引っ張るのはあくまで結果。意識はまずは逆方向。左打者なので、センターから左。そこは共通点でした。そこは一緒だったことで、自分にとってこれまでやってきたことが間違いではなかったと凄く自信になりました」

【次ページ】 今井の剛球、九里のナックルも体感

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