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阪神ファンなら覚えておくべき「バースの再来」が100%期待外れに終わる理由「甲子園の浜風に苦しむ」「アリアスもマートンも…成功例は右打者」
text by

江本孟紀Takenori Emoto
photograph byJIJI PRESS
posted2025/07/22 17:01
阪神伝説の外国人助っ人バースだが……なぜ「バースの再来」はたびたび話題になってしまうのか
それよりは、「浜風の影響を受けない確実性の高い右打者」を獲得したほうが、阪神にとってメリットが大きいのではないだろうか。そうも考えるのは「ある理由」からだ。
バース以外に「これまで阪神で活躍した外国人打者」を思い浮かべてもらいたい。私の現役時代でいえばマイク・ラインバック(1976~1980年)が挙げられるし、それ以降となるとトーマス・オマリー(1991~1994年)、ジョージ・アリアス(2002~2004年)、アンディ・シーツ(2005~2007年)、マット・マートン(2010~2015年)、マウロ・ゴメス(2014~2016年)らの名前が続く。
すると、アリアス以降の外国人選手に共通しているのは、いずれも「右打者である」ことだ。
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つまり、梅雨時期から夏場の勝負どころで甲子園球場の浜風をものともせずに打てる外国人選手というかたちが、ひとつの答えだとたどり着く。
最近、阪神で活躍した外国人選手はジェフリー・マルテ(2019~2022年)、ジェリー・サンズ(2020~2021年)、メル・ロハス・ジュニア(2021~2022年)である。マルテとサンズは右打者、ロハス・ジュニアは両打ちである。つまり、「バースの再来」など求めなくても、甲子園球場で活躍するためのストロングポイントさえ見つけてやればある程度は通用したわけだ。
「バースの再来」である必要はどこにもない
このように見ていくと、外国人選手の打者が「バースの再来」である必要などどこにもない。「バースと違うポイント」があることで、阪神で活躍するための要素があるのではないか――サンズ、マルテ、ロハス・ジュニアの3人がそれぞれ活躍したからいいが、今後、新たに外国人選手を獲得する際には、「バースの再来」はすっかり忘れたほうがいいと、私はあえて断言する。〈第1回からつづく〉

