- #1
- #2
甲子園の風BACK NUMBER
大阪に出現「二刀流の“スーパー1年生”」林将輝とは何者か? 大阪桐蔭も東海大相模も誘った“恐るべき才能”「じつは大阪学院大高にもう一人、逸材いる」
text by

柳川悠二Yuji Yanagawa
photograph byYuji Yanagawa
posted2025/07/15 11:01
「172cmのスーパー1年生」林将輝15歳とは何者か?
「自分、投球する時に、左肩が上にあがっちゃう癖があって、それだとうまく体重移動ができず、ボールを投げる右腕に力が伝わっていかないんです。マウンドの傾斜に沿って体重を移動し、左肩の癖を修正しようと思うと、自然と腕の位置がサイド気味になりました。右腕が遅れて出てくるような感じがするかもしれませんが、自分としてはしっくりきているし、決して腕が遅れているわけではないんです」
「大阪桐蔭を倒したい」
プロへの道を切り拓くという意味でも、大事な夏となる。
「とにかく今は野球をやりきりたいと思っています。指名されるか、指名されないかは、自分が努力した結果でしかない。今からそれを考えるよりも、すべては結果が出てから受け止めようと思っています」
ADVERTISEMENT
昨秋の大阪大会3位のメンバーに長瀨、林が加わり、さらに高知中学からやってきた右腕も将来有望で、既に大阪随一=日本随一の投手陣を築きつつあるのが大阪学院大高だ。
原稿執筆時点で大阪大会は3回戦までの組み合わせしかきまっておらず、仮に大阪学院大高と大阪桐蔭が順当に勝ち上がったとしても、どこで対戦するかはわからない。しかし、大阪学院大高にとって大阪桐蔭や履正社を倒さなければ、甲子園には到達しないだろう。長瀨は言う。
「兵庫県出身の自分としては、隣の大阪桐蔭というのは身近に感じている学校でしたし、特別視もしていない。甲子園に行くためには倒さないといけない相手というぐらいの感覚なんです。ただ、いまは大阪学院の全員が大阪桐蔭を倒すつもりで練習を頑張っている。僕もそれに同調して、大阪桐蔭を倒したい」
かつて大阪の高校野球は浪商(現・大体大浪商)が一時代を築き、1980年代にPL学園が隆盛期を迎え、絶大な人気を誇った。そして大阪の雄の座は2000年代に入ってPLから大阪桐蔭に代わった。時代の節目には新興勢力の台頭がつきものだ。
この夏に待つのは大阪桐蔭の捲土重来か。それとも盛者必衰の理が大阪桐蔭を襲うのか。

