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甲子園の風BACK NUMBER
大阪に出現「二刀流の“スーパー1年生”」林将輝とは何者か? 大阪桐蔭も東海大相模も誘った“恐るべき才能”「じつは大阪学院大高にもう一人、逸材いる」
posted2025/07/15 11:01
「172cmのスーパー1年生」林将輝15歳とは何者か?
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柳川悠二Yuji Yanagawa
photograph by
Yuji Yanagawa
北海道から大阪学院大高へ入学した1年生の逸材がいる。172cm右腕、林将輝である。
6月上旬、再び林にインタビューをするべく訪れると、その変貌に驚いた。わずか1カ月前の幼さは消え、別人のような精悍な顔つきになっていたのだ。北海道からやってきて2カ月が経過し、公式戦を経る中で高校野球だけでなく大阪の水にも慣れてきたのだろう。いや、履正社戦のあの緊迫マウンドを経験したことが、スーパー1年生を一足飛びで成長させたのかもしれない。
「やっぱり、勝ちたかったですけど、負けたからこそ得られた経験も悔しさも絶対にある。それは無駄にしたくないですね。今は身長が172センチですけど、ちょっとずつ伸びてます。体重も入学時が65キロだったのが、67キロまで増えました。寮ではお風呂に入ってストレッチして、ゆっくりするだけ。携帯電話でYouTubeで研究したりもしています。息抜き? 部屋でWANIMAの曲を聴くことぐらいですかね」
大阪桐蔭も誘っていた
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中3の夏にU-15侍ジャパンに選出された林にはおよそ15校から勧誘があったという。全国には数十校から声がかかる選手もいるが、飛び抜けた「特A」の選手に対しては、名門や甲子園常連校以外の学校は端から勧誘を諦めていることが多い。林もそのパターンだろう。
林に声をかけた学校の中には、大阪桐蔭もあった。林は一度、練習を見学に訪れたことがあったという。しかし、最終的には大阪学院大高を選んだ。判断材料に「甲子園への行きやすさ」はなかった。
「このチームは全体練習があまり長くなく、自主練とかを大事にしていて、自分に必要な練習に集中できると思った。自立の面というか、自分が大人になるためにも選んだ。甲子園に出ることも目標ではありますが、自分の夢の一番は甲子園に行くことじゃなく、プロ野球選手になること。そうしたことを踏まえて、大阪学院に決めました」
投手としての林は、癖のないオーソドックスな投球フォームから、地を這うようなMAX146キロのストレートを放る。

