- #1
- #2
バレーボールPRESSBACK NUMBER
「祐希さんや藍と比べるつもりない」男子バレー大塚達宣(24歳)イタリアで到達した新境地とは?「評価が下がるのを怖がっている自分がいました」
text by

米虫紀子Noriko Yonemushi
photograph byTakahisa Hirano/AFLO
posted2025/07/01 11:01
ネットを挟んで石川祐希(左)と言葉をかわす大塚達宣
「そのために、いろいろトライして、自信をつけて大きくなっていきたい。パリでレギュラーだった2人、(石川)祐希さんと(高橋)藍選手に対してどう思ってますか? とかよく質問されますけど、僕は人と比べると絶対にいいプレーが出ないタイプなので(苦笑)、人と比べるつもりはありません。
自分のいいところをアピールすることが、自分がコートに入る時間を長くすることにつながると思っていたけど、パリまではそうならなかった。もちろんそうやってパリのメンバー入りを勝ち取った部分もありますけど、スタメンだったわけではないので。ということは、自分自身もっとレベルアップしないといけないということ。
例えば、祐希さんよりも、藍よりもいい数字を出さないと、ではなく、自分が自信を持ってできることを増やしていく。現状『この部分で頼られてるな』と感じるところだけに収まらずに、自分の心の奥底にある『ここがもっと強くなったら、自分はもっといい選手になれるのにな』という部分に向き合って、一日一日やっていきたいなと思っています」
ADVERTISEMENT
6月11日に開幕したネーションズリーグの予選ラウンド第1週と第2週は石川や高橋藍などパリ五輪の主力が不参加の中、大塚はコートに安心感を与えていた。安定したサーブレシーブや周りを前向きにする雰囲気はもちろん、攻撃での存在感は確実に増していた。フランス戦では途中出場から10得点を挙げ逆転勝利の立役者となり、スロベニア戦でも難しいトスを次々に得点に繋げ勝利に貢献した。
大塚はミラノに行ってからずっと、「上手くなる」ではなく「強くなる」と言い続けてきた。その意志は、パリ五輪後の行動すべてを貫いていた。そして新たにスタートした日本代表でも、貫き続ける。
〈全2回/前編から続く〉

