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「祐希さんや藍と比べるつもりない」男子バレー大塚達宣(24歳)イタリアで到達した新境地とは?「評価が下がるのを怖がっている自分がいました」
posted2025/07/01 11:01
ネットを挟んで石川祐希(左)と言葉をかわす大塚達宣
text by

米虫紀子Noriko Yonemushi
photograph by
Takahisa Hirano/AFLO
イタリア挑戦1年目を終え、再びバレーボール男子日本代表の一員としてコートに立つ大塚達宣(24歳/ミラノ)。石川祐希や高橋藍らを脅かす存在になれるのか。現地で漏らした本音から現在地に迫った。【NumberWebインタビュー全2回の後編/前編も公開中】
大塚を救った母の言葉
ミラノで、大塚達宣は「やらなきゃいけない」をやめた。
初めての海外シーズンということで、最初は「一人でちゃんとやらなきゃいけない」という意識にがんじがらめになっていた。
「海外だし、一人暮らしも初めてということで、日本にいた時以上にちゃんとやらないと、どんどん体力とかが落ちていくんじゃないかと意識しすぎていました。だから、何時に起きて、朝ご飯はこれを食べて、というふうに、最初はあれやらなきゃこれやらなきゃ、という感じでした」
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ミラノに渡った直後は、体育館でも家でも頑張り、そのおかげですぐにチームに溶け込むことができたが、飛ばし過ぎたせいで疲弊し、気持ちがふさぎ込むことが増えた。
そんな時、異変を察した母の淳子さんからのメッセージが心に響いた。
「練習が午後しかない日は、朝は無理せずゆっくり寝てみたら? スタートは成功したから、ここからは少しのんびりいこう」
また、イタリアの人々のおおらかさにも救われたという。
「バレーも生活も、100%全部できるわけではない。それはイタリアに来てめちゃくちゃ感じています。こっちの人たちは、国民性というのか、自由な雰囲気だし、みんな伸び伸び過ごしている。別に完璧じゃなくても、頑張って話そうとしたら伝わるし、みんなおおらかなので、『完璧じゃなくてもいいんや』と思えるようになりました」

