- #1
- #2
バレーボールPRESSBACK NUMBER
「祐希さんや藍と比べるつもりない」男子バレー大塚達宣(24歳)イタリアで到達した新境地とは?「評価が下がるのを怖がっている自分がいました」
text by

米虫紀子Noriko Yonemushi
photograph byTakahisa Hirano/AFLO
posted2025/07/01 11:01
ネットを挟んで石川祐希(左)と言葉をかわす大塚達宣
そのインタビュー後のプレーオフ準々決勝第3戦から、大塚は先発に定着し、5位でシーズンを終えた。
5月には、ロラン・ティリ新監督が率いるロサンゼルス五輪に向けた日本代表が始動。ネーションズリーグに出発する前に、改めて大塚に確認すると、思いは「変わっていません」と頷いた。
「昨年まではパリ五輪に残るために、自分のいいところを出してアピールしようというのが一番だったので、自分の心の奥底にあった『ここも強化したいのにな』という部分をなかなか表に出せずにいた。そこを強化しようとしてエラーしちゃうことで、評価が下がるのを怖がっている自分がいました。
ADVERTISEMENT
でもイタリアに行って、環境も全部変えて、新しい指導者やチームメイトのもとで、新しい観点でアドバイスをもらいながらやる中で、自分の課題というか、心の中でモヤモヤしていたものに向き合う時間を作ることができました」
課題を克服した先に見据えるターゲット
課題と捉えていたのは、まさにイタリアで成長した“パワー”の部分。
「スパイクとかサーブの力強さ、そこは自分が頑張りたいなと思っていた部分で、フィジカルの強い(選手が揃う)リーグに来たからこそ適応していこうと思った。ただ、骨格などが違うので、あの人たちの真似事をしているだけでは怪我につながったりするから、彼らと同じような球を打つために、自分はどういう体の使い方をしたらいいのかを探して、少しずつ形になってきました」
自分にベクトルを向けているからといって、日本代表や五輪が二の次というわけではない。
「ロサンゼルス五輪に出たいという気持ちに変わりはない」と言い切る。

