「まだまだですね、まだまだ」“代表だけじゃない”長谷部誠コーチの本業とは…フランクフルトU-21「ドイツの小さな村の4部戦」現場で直撃！ 

ドイツ4部の残留争いのなかで

「いまU-21がプレーしているのはドイツの4部。彼らの次のステップ、これからどういうところを目指しているかというところでも、いきなりブンデスリーガかって言われたら、まだそういうレベルじゃない。そういうところでのアプローチの仕方であったり、コーチングの仕方はまた全然違う。その辺も日々学んでいるところですね。

　自分たちができるところでまず1試合1試合しっかりやっていくことが大切。いまチームは残留争いで苦しい状況ですが、こういうシチュエーションを真正面から受け止めて、しっかりと立ち向かってやっていくっていうのは、これからの人生に役立つんじゃないかなと思いながらやってます」

　気がつくと周囲ではフランクフルトファンだけでなく、地元の子供たちが長谷部の近くに集まってきている。インタビューが終わったらサインをもらって、一緒に写真を撮りたいと待っているのだ。ドイツサッカー界で長谷部がどれほど認知され、愛されているかを改めて感じる。

子供たちに囲まれてファンサービスする長谷部コーチ（右端）　©Kichinosuke Nakano

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　ふと見ると日本人の姿もあった。気になって話しかけてみると、なんと日本から新婚旅行で来ている夫婦だという。昔から長谷部のファンで、調べたらここで試合があるので駆けつけたのだ、と。指導者としてすでに凛々しいオーラを放つ長谷部に感激していた。

「まだまだですね」

　控室へ戻ろうとする長谷部に最後に尋ねてみた。充実感はどうですか、と。

「まだまだですね、自分の中では。まだまだですね」

©Kichinosuke Nakano

　長谷部誠が指導者としてどんどん成長していくことを夢見るファンは数多い。でも本人はその歩みの大変さと、だからこそ日々の積み重ねの大事さを知っている。焦らず日々精進。長谷部のセカンドキャリアはまだまだ始まったばかりだ。