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プロ野球PRESSBACK NUMBER
「ドラゴンズ育成ドラ1が入団交渉した“異例すぎる”場所」星野仙一が「おやじ」と愛した店主、中日現役選手も食べる中華メニュー…名古屋“ナゾの中華料理店”に潜入
text by

田中仰Aogu Tanaka
photograph byNumberWeb
posted2025/06/04 11:36
中華料理店「ピカイチ」。ドラゴンズファンの聖地として知られる
自慢する様子はまるでなかった。やはりこのお店、普通ではない。
ある人物との関係を抜きにピカイチを語ることはできない。中日のレジェンド、星野仙一である。話は40年ほど前に遡る。
星野仙一が「おやじ」と呼んだ店主
「私が中学までプレーしていた名古屋東リトルシニアという少年野球チームがありまして。そこのスタッフだった親父(初代・洋二さん)が、韓国や台湾のチームとも積極的に親善試合を組んでいた。それを知った星野さんから、親父に連絡があったんです。なにか手伝えることはないかと。星野さん、野球振興を考えていた方でしたから。それが2人の出会いでした。のちに親父がピカイチの店主だってことを伝えたら、星野さんはすぐにピンときたみたいです。あのピカイチか、と」
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星野は先代を「おやじ」と呼んだ。タバコとコーヒー。嗜好も共通していた。「おやじ、今時間あるか?」。ふらっと店に顔を出し、先代を喫茶店に誘った。2人は不思議と馬が合った。星野の宣伝もあったのだろう。ピカイチの名が中日関係者の間で広がった。
「下手したら山﨑武司さんが一番来てくださってるかも。家族もご一緒に。荒木雅博さんも入団会見直後、引退直後に来てくれた。現役選手なら大野(雄大)さんとか涌井(秀章)さんも。大島(洋平)さんはうちをドライブスルー代わりに使ってくれていて。料理長に電話かけてくるんですよ。お弁当を注文したいんですけど、って具合に」
星野仙一が愛した“人気メニュー”
星野、山崎武司、山本昌、立浪和義……サイン色紙が並ぶにつれて中日ユニフォームを着た客も増えていった。気づけば「ドラゴンズファンの聖地」と称されるようになった。
「店内で写真やサインはNGにしてます。誰かいるのを知って殺到したら危ないので」


