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“3年連続最下位”中日ファンの本音「今日も0点。まあ、しょうがないかぁ…」中日ファン歴50年の“中華料理店”で聞いた変化「昔は他球団ファンが店内でケンカ」
posted2025/06/04 11:35

写真は2010年10月、中日のセ・リーグ優勝の日。ドラゴンズファンの聖地、中華料理店「ピカイチ」で
text by

田中仰Aogu Tanaka
photograph by
KYODO
名古屋に“ドラゴンズファンの聖地”と呼ばれる中華料理店がある。「今日も0点かぁ……まあ、しょうがないかぁ」約50年間ファンを見てきた店主に聞く、“中日ファンの変化”とは。【全2回の前編/後編も公開中、NumberWeb中日特集】
◆◆◆
「今から3人入れますか?」。中日ドラゴンズが試合で勝った。そんな日は上機嫌のファンから電話が鳴り止まない。バンテリンドームから歩いて約30分、今池の繁華街にある中華料理店。本拠地から近いわけではない。それでも客足は絶えない。
ドラゴンズファンの聖地とされる「ピカイチ」。その1階に店内ルールが記された張り紙がある。
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・ケンカは、絶対にダメです
・相手チーム、選手を誹謗中傷するのはやめましょう
・ビールかけは、禁止です
・仲良く楽しく観戦しましょう
店主と料理長の話を聞いた日の夜、取材班はピカイチで夕食をとった。周りには女性のグループ客も、ひとり客もいた。餃子と瓶ビールを至福の表情で楽しむ中年男性。腹をかかえて笑い合う女性グループ。そこにあって物騒なルールは浮いていた。今と違って昔は――薄茶色に変色した張り紙だけが時代に取り残されているようだった。
約50年間、中日ファンを見てきた
「私、中日について意見は言わないようにしています」
2代目店主の兵頭忠保さんは現在53歳。中日の井上一樹監督と同じ学年である。生まれてこの方50年、地元ファンを見てきたことになる。
「昔ね、落合(博満)さんが監督を退任されたとき、電話で取材を受けたんですよ。まったくそんな意図で話していないのに、インタビューが勝手に切り取られて、落合さん退任の賛成派みたいに括られた。知り合いから『ネットで炎上してるよ』って連絡が来たんです」
話はそこで終わらなかった。