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「ドラゴンズ育成ドラ1が入団交渉した“異例すぎる”場所」星野仙一が「おやじ」と愛した店主、中日現役選手も食べる中華メニュー…名古屋“ナゾの中華料理店”に潜入

posted2025/06/04 11:36

 
「ドラゴンズ育成ドラ1が入団交渉した“異例すぎる”場所」星野仙一が「おやじ」と愛した店主、中日現役選手も食べる中華メニュー…名古屋“ナゾの中華料理店”に潜入<Number Web> photograph by NumberWeb

中華料理店「ピカイチ」。ドラゴンズファンの聖地として知られる

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田中仰

田中仰Aogu Tanaka

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名古屋に“ドラゴンズファンの聖地”と呼ばれる中華料理店がある。「おやじ、今時間あるか?」星野仙一が通ったお店。「ピカイチ」は中日関係者、ファンからなぜこれほど愛されるのか?【全2回の後編/前編も公開中、NumberWeb中日特集】

◆◆◆

なぜ中華料理店で入団交渉?

 そもそも取材班はなぜ「ピカイチ」を訪れたのか。

 中日関連の資料を漁っているときだった。ひとつの記事に違和感を覚えた。

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〈中日育成ドラフト1位の名大・松田亘哲(ひろあき)投手(22)が11日、名古屋市千種区にある中華料理店で入団交渉を行い、支度金200万円、年俸300万円で仮契約を交わした。中日ファンの聖地でもある「ピカイチ」で入団交渉を終えた松田は地元での飛躍を改めて誓った〉(日刊スポーツ/2019年11月12日)

 引っかかった箇所は、松田が名古屋大出身であることでも、提示された金額でもない。

 中華料理店で入団交渉……?

 入団交渉は、ドラフトで指名された選手が契約金や年俸、インセンティブなどを話し合う重要な場だ。会場は由緒ある地元の名ホテル。それが基本線だと思っていた。事実、同じ2019年ドラフト1位・石川昂弥の入団交渉を伝えた内容には「名古屋市内のホテル」と書かれている。記事の写真はシャンデリアが光る部屋でバットを構える石川だ。

 ところが松田は中華料理店で行われたという。サラッと記された「中日ファンの聖地でもある」ピカイチとは一体どんな店なのか。行かない手はなかった。

「井上(一樹)さんがお見舞いに来てくださって…」

 ピカイチは名古屋東部、地下鉄今池駅から徒歩5分の繁華街にある。1965年創業、店主の兵頭忠保さんが2代目にあたる。歴代監督や選手、OBと店のつながりを尋ねれば、サラりとこんなエピソードが出てくる。

「井上(一樹)さんが監督になられてキャンプに行かれる前に、当時入院していた大ママ(兵頭さんの母)のお見舞いに来ていただいたんです。LINEでつながってるみたいで」

【次ページ】 星野仙一が「おやじ」と呼んだ店主

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