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「オレ、中日行きたいって言ったのに!」元日本ハム投手が告白…“消された中日トレード”、星野仙一もキレた「ふざけんな! お前のせいだ」
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遠藤修哉Naoya Endo
photograph bySankei Shimbun
posted2025/05/30 17:50
1998年11月、ダイエーから中日に移籍した武田一浩。じつはこの3年前に“消えたトレード”があった
「95年は投げられたけど投げなかったから、それが結果的によかった。前年0勝から15勝になっても、ケガではなかったから『カムバック賞』はもらえなかったけど。オレがダイエーで勝ちに勝ったから『ふざけんな!』って仙さんが激怒していたってあとから聞いたよ(笑)」
「王さんとはさんざん口喧嘩した」
そして1999年、FAで晴れて中日へ。星野監督のもと、移籍1年目でリーグ優勝を果たす。
「キャリアを積んでからの中日入りだったから、星野さんともうまくやれた。もし最初から一緒だったら、怒鳴られて潰れてたかも(笑)」
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振り返ると、本人が「中日に行きたい」と明確に希望していたなかでのトレード変更。武田にとっても、「裏切られた」という感覚が強かったのだろう。
「でも、ホークスに行ってなかったら、王(貞治)さんとも出会ってない。オレは王さんに憧れて野球を始めたし。王さんとはさんざん口喧嘩もしたけど、だんだんと強くなるチームにいて、王さんを本気で胴上げしたいって思っていた。だから、中日にFA移籍したその年にホークスと日本シリーズを戦ったときは感慨深かったよね」
実際に、1999年のリーグ優勝時には、「先にダイエーが優勝して、なんか感動してしまったんだよ」と語る武田。
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続きでは、武田が開幕11連勝“伝説の1999年ドラゴンズ”を振り返る。
<《1999年の中日》編へ続く>

