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「大迫傑選手みたいに憧れられるランナーを」大八木弘明総監督が少数精鋭“Ggoat”で狙うこと…「世界と戦って、陸上を夢のあるスポーツに」
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佐藤俊Shun Sato
photograph byShiro Miyake
posted2025/05/31 11:08
鈴木芽吹が日本選手権10000mに優勝するなど、早くも成果を出しているGgoat。目標である「世界」との戦い方を大八木総監督が熱く語った
これまでのデータとか数字に裏付けられた成功例をもって指導することも大事ですが、時代はどんどん変わっていきます。シューズが厚底になり、スピードも速くなった。世界の選手は、その先端にいくためにいろんなものを変えていってレベルを上げています。
私はアメリカや欧州に行った際、トップ選手やコーチと話をしたり練習を見ることで、練習方法などをアップデートしています。指導者が変わらないと選手も変わらない。すべてを変えるのではなく、自分がいいと思ったときは、新しいものをうまく取り入れていくことでGgoatのレベルが上がってきていると思っています。
——新しいことを取り入れるのに、タイミングはあるのですか。
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例えば、13分一桁台のタイムを1回だけではなく、どんな時も出せるようにするためだったり、13分10秒が出たら次は12分58秒までいけるかもしれない、とか、そういう時は次のステップにいくために新しいものを取り入れていきます。
コンスタントにタイムを出せる選手にしていかないとそのレベルには到達できないですし、本当の強さに結びつかないんです。指導者がアップデートしていくことは、選手を成長させるうえで非常に大事ですね。
Ggoatから陸上界のスターを輩出する
陸上の長距離は、世界との競技力の差が大きく、野球の大谷翔平のような世界的なスター選手が生まれにくい状況にある。陸上を子どもたちに夢のあるスポーツとして認知してもらい、競技者数を増やしていくためには、そういう存在が不可欠でもある。
——陸上界のスター選手をGgoatから輩出することを重視していますか。
それは、すごく大事なことです。圭汰は、大迫(傑)選手のように海外に行って強くなって、憧れられる選手になって欲しいですね。そうなることで陸上界が盛り上がるし、陸上の人気も出てくると思います。
一方、国内では、Ggoatが強くなっていかないと、注目されなくなってしまうので、常に勝つ、強くなければダメという気持ちで選手はやっています。そうして陸上界を盛り上げていかないことには、選手の生活も良くなっていかない。私は、陸上を夢のあるスポーツにしていきたいんですよ。

