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「大迫傑選手みたいに憧れられるランナーを」大八木弘明総監督が少数精鋭“Ggoat”で狙うこと…「世界と戦って、陸上を夢のあるスポーツに」 

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佐藤俊

佐藤俊Shun Sato

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photograph byShiro Miyake

posted2025/05/31 11:08

「大迫傑選手みたいに憧れられるランナーを」大八木弘明総監督が少数精鋭“Ggoat”で狙うこと…「世界と戦って、陸上を夢のあるスポーツに」<Number Web> photograph by Shiro Miyake

鈴木芽吹が日本選手権10000mに優勝するなど、早くも成果を出しているGgoat。目標である「世界」との戦い方を大八木総監督が熱く語った

「芽吹が勝って、作って良かったと思いました」

 大八木総監督が言うように、海外での強化が結果として表れている。今年、丸亀ハーフで、篠原が59分30秒で日本学生記録を更新、日本選手権10000mでは鈴木が27分28秒82で優勝した。

——鈴木選手の優勝は、うれしさとホッとしたのとどちらが大きかったですか。

 いやぁ正直、ホッとしました。日本選手権で勝てないとGgoatを何のために作ったのかということになります。世界に挑戦すると言っておきながら日本で勝てないようだとダメですから。芽吹が勝って、Ggoatを作って良かったと思いました(笑)。

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——総監督もプレッシャーを抱えていたということですか。

 ある程度のプレッシャーはあります。でも、自分の好きなことをやらせてもらっている楽しさの方が大きいですね。

——丸亀ハーフでは篠原選手が59分30秒をマークし、学生記録を更新しました。日本記録を出した太田智樹選手とわずか3秒差でした。

 すごい記録でした(笑)。篠原は大学に来た時、5000mが14分36秒ぐらいでしたが、卒業する時は13分15秒まで行ったので、すごい伸びしろだなと思いましたね。今回、ハーフのタイムを出したのですが、そこまでのプロセスをGgoatの仲間は見てきているので、それを追って田澤も芽吹もいずれ59分30秒を出すでしょう。チームで力を高めていくには、そういう前を行く選手が必要です。

 今は、田澤、鈴木、篠原が10000m、佐藤は5000m、落合は800mを主戦場とし、それぞれ世界陸上、五輪出場を狙っている。

——Ggoatは、3種目に限定しているのでしょうか。

 そういうわけではありません。今季は3種目ですが、次のシーズンからはマラソンが入ってくるでしょう。すでにGgoatで一緒にやっていた太田がマラソンに挑戦する予定ですし、田澤も芽吹もいずれマラソンに行きます。

 私がもともとマラソンが好きなので、マラソンをやりたい気持ちはありますが、どの選手もマラソンに行くまでのプロセスで足りていないところがあります。マラソンに挑戦する時は2時間3~4分台を出さないと世界では通用しないので、そのためのベース作りを今しているところです。

【次ページ】 世界を目指す出発点になったのは田澤

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