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「五輪、世界陸上代表を本気で作る」駒澤大“箱根駅伝4連覇”の大八木弘明総監督は最強チーム“Ggoat”をなぜ始めたか「田澤(廉)がきっかけでした」
posted2025/05/31 11:07

大八木弘明総監督が立ちあげた精鋭チーム“Ggoat”とは何なのか。その目標、参加レベル、内情……すべてを合宿地で直撃した
text by

佐藤俊Shun Sato
photograph by
Shiro Miyake
駒澤大学の監督時代からその存在感は、唯一無二だった。監督としての手腕はもちろんだが、厳しい表情から時折見せる笑顔は人の心を和ませ、叱咤する言葉には選手への愛情が感じられた。鈴木芽吹は、「監督の人間性がGgoatを作っている」と語ったが、それは真実だろう。その大八木弘明総監督が昨年4月にスタートさせたのが、Ggoatだ。
——Ggoatの立ち上げの構想は駒澤大学の監督時代からあったのですか。
ありました。大学に田澤(廉・トヨタ)が来て、つづいて(鈴木)芽吹(トヨタ)、篠原(倖太朗・富士通)が入ってきて最初はSチームとして活動していました。その頃から田澤は世界を目指したいという気持ちを持っていましたし、私自身も中村匠吾(富士通)を五輪の選手に育てたように、また世界で戦える選手、五輪や世界陸上に出場できる選手を作りたいという思いがあったのです。
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田澤が卒業し、自分が65歳の定年を迎えて大学の監督を終えた後は、田澤と一緒にチームを作ろうと考えていました。
——Ggoatが生まれたのは、田澤選手がキッカケになったのですね。
田澤を世界にどう導いていくかを考えている中、芽吹や篠原が育ってきて、(佐藤)圭汰(駒澤大4年)も来てくれた。この子たちが世界で戦いたい、(大学駅伝)3冠を監督に取らせてあげようという思いを持ってがんばってくれていたので、私自身も本気になって彼らのためにやろうという思いがチーム発足につながりました。
——実業団に属しながらGgoatで練習している選手もいます。実業団チームとの間にハレーションは起きなかったのですか。
田澤も芽吹も監督の元でやりたい、監督となら世界にいけるということを言ってくれたので、トヨタの佐藤(敏信総監督)君と話をして、私のところでやることになりました。
篠原の(2025年4月から)所属する富士通も藤田(敦史・現駒澤大監督)の面倒を見て、中村を五輪に導き、私が見ていた選手が成功していたのもあって許可をもらいました。今は気持ち良く私の方で彼らを見させてもらっています。