プロ野球亭日乗BACK NUMBER
「品格、人間性も問われる」岡本和真なき「巨人の4番」はそれでも“特別”か?「僕も打ったことが…」亀井コーチが明かす“4番目”の選択肢の苦心
text by

鷲田康Yasushi Washida
photograph byNanae Suzuki
posted2025/05/27 17:01
岡本を欠く中で「巨人の4番問題」はペナントレースの戦い方を左右する大きなポイントとなる
「『巨人の4番』と語られるには、やっぱり松井くんとか(阿部)監督とか、それなりの試合数を4番で出場した選手でなければならないと思います。いまは言うならば“4番目のバッター”として、打線の中で役割を果たしてくれることを期待されているということじゃないですか」
こう語るのは橋上秀樹作戦戦略コーチだ。
ちなみに長嶋さんは4番として1460試合、王さんは1231試合、原さんは1066試合の出場で、巨人在籍10年の松井さんは470試合、阿部監督は505試合の実績がある。
「僕も打ったことが…」亀井コーチの考え
ADVERTISEMENT
「僕も4番を打ったことありますからね。でもそれと松井さんや監督、岡本は全く違うことだと思います」
現役時代に17試合で4番を打ったことのある亀井コーチも、巨人の4番を打つことと“巨人の4番”として認められることの違いをこんな風に語っていた。
そういう意味では18年6月2日のオリックス戦で第89代の4番に起用され、そこからほぼ全試合に当たる904試合に4番として出場している岡本は別格なのだ。
だがその「巨人の4番」は今はいない。
それが現実なのである。
“何代”の4番が誕生しても…
「僕は調子のいい時に増田陸(内野手)とかも(4番で起用して)面白いかなと思いましたけど、やっぱりプレッシャーもありますからね。今は好調な選手を上位に並べて、4番は長打力とか、さまざまな要素を含めてキャベッジという選択が多くなると思います」
亀井コーチの現状分析だった。
巨人は岡本の離脱以降の7試合に2勝5敗と大きく負け越し、4番不在の穴の大きさがクローズアップされた。しかしその後の9試合は7勝2敗と若手中心の打線で盛り返し、再び首位・阪神に肉薄してきている。今後もキャベッジを中心に、さらに何人、何代の4番が誕生するかは分からないが、岡本復帰までは“4番目のバッター”でオーダーを組むしかない。
それが「巨人の4番問題」である。


