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「品格、人間性も問われる」岡本和真なき「巨人の4番」はそれでも“特別”か?「僕も打ったことが…」亀井コーチが明かす“4番目”の選択肢の苦心
posted2025/05/27 17:01
岡本を欠く中で「巨人の4番問題」はペナントレースの戦い方を左右する大きなポイントとなる
text by

鷲田康Yasushi Washida
photograph by
Nanae Suzuki
「巨人の4番問題」がクローズアップされている。
そもそもは“不動の4番”岡本和真内野手の故障離脱だった。岡本は5月6日の阪神戦の守備で、打者走者の中野拓夢内野手と交錯した際に左肘の靱帯を損傷。全治3カ月の診断で戦線復帰は8月中旬、へたをすれば9月までずれ込む可能性もあるという。
吉川、キャベッジ、大城…日替わり4番に
岡本が離脱した翌7日の阪神戦で阿部慎之助監督は第92代の4番に吉川尚輝内野手を起用。その後は10日のヤクルト戦で第93代にトレイ・キャベッジ外野手、13日の広島戦で第94代に大城卓三捕手と日替わり4番となっていたが、現在はキャベッジでほぼ固定されつつある。
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だが、岡本が離脱して、改めてその存在の大きさがクローズアップされる事態になっているのは、それ以降の4番打者の成績不振が大きいだろう。
以下は岡本離脱以降の「巨人の4番」の成績(5月23日現在、以下同)だ。
吉川 2試合7打数0安打0打点 打率.000
キャベッジ 13 試合43打数9安打3打点 同.209
大城 1試合 4打数0安打0打点 同.000
合わせて54打数9安打で打点はわずか3という低迷ぶりなのである。
「プレッシャーを引き受けた」キャベッジ
欠場する試合前までの32試合全てで4番を打っていた岡本が117打数36安打25打点で8本塁打をマーク。そこまでチームは1試合平均3.26得点だったが、岡本離脱直後の7試合では同2.42得点と1点近く急降下。チーム成績も首位から4位に転落したこともあり、「4番問題」がクローズアップされることとなった訳だ。
「4番に必要なのは長打力だったり、勝負強さ、チームを勝たせるバッティングなのは確かです。岡本がいなくなった時点で、今のメンバーで代わりの4番はキャベッジなのだろうと多くの人が考えたと思うんですね」
こう語るのは亀井善行打撃コーチだ。
「(岡本)離脱直後には調子の良かった吉川を起用しましたけど、もう一つ結果が出なくて……。プレッシャーとかもあるだろうし、そういう意味ではキャベッジがそこを引き受けてくれているということだと思います」



