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中田翔でも中村剛也でも西岡剛でもなく「線の細い1番打者だった」浅村栄斗が大阪桐蔭OB初2000安打…どこでも守れてケガに強い証明は「7223打数」
posted2025/05/26 17:11

平成生まれ初となる2000本安打を達成した浅村栄斗
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広尾晃Kou Hiroo
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JIJI PRESS
5月24日、楽天モバイルパーク宮城の日本ハム戦で楽天の浅村栄斗は1回、山﨑福也から右前打を放ち、史上56人目の2000本安打を達成した。34歳6カ月での達成は史上7番目の若さ。平成生まれでは最初の達成者。さらに多くの強打者を輩出している大阪桐蔭高としても最初の達成者と、いろいろと記録ずくめな大台突破となった。
浅村は2008年、ドラフト3位で埼玉西武ライオンズから指名を受け入団。ただこの時点で、浅村が大阪桐蔭初の名球会入り選手になると予測した人はあまりいなかったのではないか? 浅村のキャリアを振り返りながら、プロ野球選手としての強みを紐解いていこう。
大阪桐蔭時代、浅村より注目されたのは中田翔
この年の大阪桐蔭は、夏の甲子園で1991年以来となる優勝を果たした。浅村は1番遊撃手として攻守に活躍し、ドラフト有力候補ではあったが、当時はまだ線の細さが目立った。
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そして浅村以上に当時注目されていたのは投手、打者として圧倒的なスケールだった1学年上の先輩・中田翔だった。中田は2007年のドラフトで日本ハム、オリックス、ソフトバンク、阪神の1位指名を受け、抽選で日本ハムに入団した。
さらに3年先輩には、夏の甲子園で清原和博以来の「1試合3本塁打」を記録し、2005年のドラフトで中日から1位指名された平田良介と、甲子園で156km/hの球速を記録し巨人、オリックスから1位指名され巨人に入団した辻内崇伸がいた。
この年、すでに西武では中村剛也が46本塁打で初の本塁打王、ロッテでは西岡剛が3割をマーク。阪神の岩田稔も2けた勝利を挙げていて、大阪桐蔭から、最初の名球会入りを果たすのは、これらの選手の誰かだろうと目されていた。
もともと中軸打者になると思われていなかったが
そもそもプロ入りの時点で、浅村は中軸打者になるとも思われていなかった。