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25歳でVリーグを去ったバレーエリート「後悔はゼロではない。でも…」大山未希(39歳)が語る大山家の絆「姉とわたし、弟と3人でずっと仲良く」 

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市川忍

市川忍Shinobu Ichikawa

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photograph byMiki Fukano

posted2025/05/28 11:02

25歳でVリーグを去ったバレーエリート「後悔はゼロではない。でも…」大山未希(39歳)が語る大山家の絆「姉とわたし、弟と3人でずっと仲良く」<Number Web> photograph by Miki Fukano

Vリーグを経て、ビーチバレーでも活躍した大山未希さんは現在、学生の指導にも携わっている

「約束して、ご飯を食べに行ったら待ち合わせ場所に同じ服を着て現れたとか、ふいに口ずさんだ歌が同じ曲の同じフレーズだったとか。姉に今、双子の子供がいるんですけど、その双子たちよりもわたしと姉の方が双子っぽいかもしれないですね。双子の子たちは言葉がなくても感覚でわかるとか、いろいろ共通点が多いらしいですが、わたし達もそう。どこかで通じているような、不思議な感覚は昔からありました」

 バレーボールのプレー、技術に関しては姉よりうまい自信がある。それは姉の加奈さんも認めていて、現役時代は未希さんが加奈さんにアドバイスを送ることもしばしばあったそうだ。

「対角に入っているときは、後ろから見て指摘していましたし、姉が日本代表に入っているときは試合のテレビ中継を見ていて『スパイクもっとこう打ったほうがいいんじゃない?』などと連絡していました。姉は素直に聞いてくれるタイプ。わたしがもし姉の立場だったら、妹からそんな風に言われて素直に聞けるかなぁと思う。そこはすごいなと思います」

大山家のこれから「姉とわたし、弟と3人でずっと仲良く」

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 高校時代は加奈さんがキャプテンだったこともあり、『ちゃんと挨拶しなさい』などと怒られていたとか。

「性格も得意なことも違って、わたしは手先が器用ですが、姉は不器用で、子供たちの三つ編みを作るのに苦労していました(笑)。逆に勉強ができるのは姉。そうやって得意なことが違って、それぞれの役割分担がはっきりしているのも、仲が良い理由ではないでしょうか。大人になってからも、ずっと変わらず仲がいいです。わたしも姉の双子の面倒を見るのが楽しいですし。これはあまり話していないことなのですが、うちの夫婦は子供をつくらないと決めました。夫婦仲良く2人で生きていくというスタイルもいいよね、と。姉が双子を授かったのも、わたしの分も産んでくれたんじゃないかなと思って、できる限り協力して一緒に成長を見守っていければと思っています」

 双子が生まれたばかりの頃は週2回、姉の家に通って手伝う日々を送った。

「一昨日までも2日間、うちにお泊りしてたんですよ。両親ともすでに他界しているので、親に頼れない分、姉とわたし、弟と3人でずっと仲良くしていこうといつも話しています」

 現役生活で得た教訓は「自分の選んだ道を“正解”にしていくのは自分自身」。未希さんは今後もそれを行動で証明していくつもりだ。《インタビュー第1回第2回も公開中です》

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「大山加奈の妹、というテロップを見て…」勝ち続けたバレー天才少女が抱えた本音「悔しさをバネに…という経験がなかった」大山未希の学生時代
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