25歳でVリーグを去ったバレーエリート「後悔はゼロではない。でも…」大山未希（39歳）が語る大山家の絆「姉とわたし、弟と3人でずっと仲良く」 

「姉も運動神経は良くないんですよ（笑）」

　そして指導の現場では子供たちに「自分ならできる」というポジティブな考え方を大切にしようと伝えている。

「わたしは高校生までバレーボールで勝ち続けて、常に『自分はうまい』『自分ならできる』という気持ちでプレーするようにしていました。ところがビーチに転向した直後、誰かに『ビーチは初めてなのだから一からスタートするつもりで』と言われて、その上、砂の上という環境から何をやってもうまくいかなくて『自分はヘタなんじゃないか』と思うようになってしまったんです。もちろん謙虚さは必要ですが、ヘタだというネガティブな気持ちは持たないほうがよかったなと今は思っていますね」

　特に小学生のうちは、可能性を自分で決めず、いろいろな競技に挑戦してほしいと願っている。

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「ボールを扱うのが苦手だから自分は運動神経が悪いと思い込んでいる子が多いんですけど、うちの姉も運動神経は良くないんですよ（笑）。走りも速くないし、縄跳びもできない。でもバレーボールは特別うまかった。ああして日本代表に入れたじゃないですか。子供のうちは何が自分に合うのかわからないから、とりあえず挑戦してみてほしいですね。わたしもバレーボールに興味があったわけではないけれど、たまたま行って、たまたまうまくできて褒められて、調子に乗ってしまったのがスタート。そうしたらトップリーグの選手になれました。だからヘタだなんて思わず『調子に乗る』ことは大事なんですよね」

東レ時代の大山未希さん　©AFLO

「すごいなと思う」姉・加奈の素直さ

　そう語る未希さんも、現在でも自分の可能性を探して、さまざまなことに挑戦している。最近はファッションショーへ出演するなど、元アスリートの肩書にはとらわれず多岐に渡って活動中だ。

「やりたいことがいろいろあるんですよ。今はバレーボールを教える仕事をしていますが、それ以外にも挑戦するのが今の目標です。引退するまでバレーボールだけをしてきたので、その経験を子供たちに伝えたいとは思う。自分の武器はバレーボールなので。でもバレーボールにあまり固執していない。いろんなことにチャレンジしたいですね」

　そういえば運動神経の話題に上った姉の加奈さん。奇しくも未希さんと同じ年に現役を引退したが、同じタイミングでバレーボールを始め、やめるときも一緒だったとは、なんとも不思議なものだ。

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