酒の肴に野球の記録BACK NUMBER
「じつは打球速度、遅めだった」大谷翔平が190キロ弾…注目はドジャーススタッフ好捕でもキム・ヘソン祝福でもなく「44発49盗塁64打点ペース」
posted2025/05/06 19:12

弾丸ライナーで9号本塁打を放った大谷翔平。打球速度にして約190キロと、らしい打球速度が出てきた
text by

広尾晃Kou Hiroo
photograph by
Imagn/REUTERS/AFLO
先週「本調子でない大谷翔平」について言及したばかりだったが、ようやく愁眉を開くような数字が出てきた。現地4月30日から5月5日までの日本人メジャーリーガーの成績を見ながら、振り返っていこう。
ド軍スタッフ“ナイスキャッチ”の一撃は約190キロ
〈大谷翔平/ドジャース〉
2025年 33試130打38安9本13点10盗23球40振 率.292 OPS.984
今週 5試合19打6安2本3点2盗 4球6振
4月30日マーリンズ戦 4打1安0本0点1盗 1球0振
5月2日ブレーブス戦 4打0安0本0点0盗 0球2振
5月3日ブレーブス戦 4打3安1本1点0盗 1球1振
5月4日ブレーブス戦 3打1安0本0点0盗 1球1振
5月5日マーリンズ戦 4打1安1本2点1盗 1球2振
5月5日のマーリンズ戦の5回、大谷は先週に引き続きサイ・ヤング賞投手のサンディ・アルカンタラから右中間へ弾丸ライナー性の本塁打を放った。フルカウントから157km/hのフォーシームを打ち返すと、右中間スタンドへと一直線。ブルペンで待ち受けたドジャースのスタッフがグラブギリギリで取る「アイスクリームコーンキャッチ」に成功して大喜びし、ベンチに帰った大谷が自分のホームラン以上にメジャー初安打を放ったキム・ヘソンを祝福する様子をテレビ映像は捉えられていたが――最も注目すべきは打球速度だ。
ADVERTISEMENT
これまでの最速は、前週の同カードでアルカンタラから一発を打った時の183.6km/h。じつは先週時点で、この速度はMLB全選手中の17位。毎年5位以内に入る打球速度を記録する大谷としては異例の「遅さ」だったが、5日の一発は189.7km/hを記録した。
今季においてこの一打は、ゲレーロJr.(ブルージェイズ)の193.8km/h、オニール・クルーズ(パイレーツ)の192.5km/hに次ぐ全体3位。ようやく大谷の打球速度が戻ってきたと言える。
大谷の本塁打“じつは打球速度が遅め”だった
大谷の今季本塁打のデータを詳細に見ていくと、その傾向が分かる。打った投手、跳んだ方向、飛距離、打球角度、打球速度を詳細に見ていこう。