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「ビデオ通話の向こうでドジャースの帽子を…」佐々木朗希を慕うロッテの20歳右腕が語る「野球以外の余白がない」“朗希先輩”のストイック素顔
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梶原紀章(千葉ロッテ広報)Noriaki Kajiwara
photograph bySANKEI SHIMBUN
posted2025/02/12 11:02
佐々木朗希を慕う後輩の田中晴也(右)
「おめでとうございます」と話すとビデオ通話に切り替わった。画面の向こうで、笑顔でドジャースの帽子をかぶってくれた。嬉しそうなその表情が強く印象に残った。
佐々木朗希がプロ2年目で初勝利を挙げたように、田中晴も2年目で初勝利を挙げた。事前のプラン通りに20イニング程度の一軍登板に限定されたが、着実にステップを踏み、成長を続けている。今年は3年目のシーズン。憧れの大先輩が完全試合を達成し9勝、大ブレークを果たしたのはまさに3年目の2022年だった。
「ボクにとっては、まずはしっかりと開幕ローテーションに入ることが最初の目標。そして一年間、一軍に居続ける。その先には二桁勝利、新人王というところはもちろん、狙っている。頑張りたい」と田中晴は意気込む。
田中晴也の新たな挑戦
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今年のキャンプでは振りかぶって投げるワインドアップにも取り組んでいる。「一番、構えた時に立ちやすくてしっくり来ている。前にいく力を生み出しやすい」と田中晴。ブルペンでも152kmを計測した。投球練習の段階では、これまでこんな球速を記録したことはなく、初めてのことだった。3年目の飛躍に向けて準備は着々と進んでいる。
昨年末、年齢が近い仲間たちと佐々木朗希で都内の寿司店で食事をする機会があった。年末の忙しい時期だったが、しっかりと顔を出してくれた。ここでも色々な話を聞かせてもらった。常に注目を集め続ける剛球右腕と過ごした時間は、その全てが宝物だ。
「朗希さんと一緒に過ごせた時間はボクの財産。刺激的でした。WBCとかでまたいつか一緒のチームでやりたい。それが新たな目標として加わりました」
キレのあるストレートを武器に今季マリーンズのローテーションの一角を期待される若き右腕。アメリカで新たなチャレンジをする憧れの先輩の耳に届くような輝かしいピッチングを見せるべく燃えている。田中晴也、3年目の春がまもなく訪れる。


