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「ビデオ通話の向こうでドジャースの帽子を…」佐々木朗希を慕うロッテの20歳右腕が語る「野球以外の余白がない」“朗希先輩”のストイック素顔
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梶原紀章(千葉ロッテ広報)Noriaki Kajiwara
photograph bySANKEI SHIMBUN
posted2025/02/12 11:02
佐々木朗希を慕う後輩の田中晴也(右)
結果、昨シーズンは4試合に先発して1勝1敗、防御率1.80の成績を残した。一軍在籍期間も多く、間近で背番号「17」を見た。
「自分もストレートに自信がありますけど、あの人のストレートは違う。勉強になることばかりでした。それに朗希さんのように打者がフォークと分かっていても、手を出してしまうようなボールを投げられるようになりたい」
憧れの想いを素直に口にする。
「野球以外の余白がない」
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技術的な部分はもちろん、生活のすべてを野球中心に取り組む姿勢に感化された。
「自分の事を自分でしっかりと理解をして、しっかり考えて、それに基づいたプランを作って必ず実行する。時には忙しかったり、疲れていたりしてプランが崩れそうになることが普通はあるけど、あの人は決めたことはいつもやり切っていた。それは凄いと思った」
練習から食事、一日の流れまで全てを野球中心にストイックに取り組んでいる姿を見て、一流選手になるためにはこうあるべきだと感じた。生活の中に野球以外の余白がなかった。自然と田中晴も考えながら一日を過ごすようになった。
「もう少し寡黙な人かなあと…」
さらに、「あれだけ凄いストレートをもっていても、つねにより上を目指して新しい事に取り組んでいる。その姿勢も凄いなあと思います」と憧れを抱いた。同じような意識をもち、日々を過ごすことを心掛けるようになった。
若者は「背番号17」から多くのものを吸収した。それは刺激的な時間だった。佐々木朗希の素顔にも触れた。「プロに入る前、テレビとかで見ていた印象だと、もう少し寡黙な人かなあと思ったのですけど、話をしてみたら、結構、話をするというか面白い方」と明かす。
田中晴は今年1月、先輩の西野勇士投手、河村説人投手、中森俊介投手と2週間にわたってアメリカ・アリゾナで自主トレを行った。現地では、よりスピードの出る投げ方の動作解析、メカニックを研究しながらトレーニングに取り組んだ。「自分の思い通りのいいストレートが投げられていると思う」と手ごたえを口にする。
ドジャース入団にビデオ通話で…
ちょうどアメリカに滞在中のタイミングで佐々木朗希がロサンゼルス・ドジャースに入団するというニュースが飛び込んできた。忙しいかもしれないと遠慮しつつ、思い切ってみんなで電話をかけてみた。応答があった。


