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「カーブ、本当はもっと落ちるんですけどね」FA移籍・石川柊太に育成から復帰・石川歩も…若手中心の中、ロッテキャンプで注目の仕上がりは誰?
posted2025/02/12 11:01

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広尾晃Kou Hiroo
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Kou Hiroo
石垣島でも…寒波が各球団キャンプを襲っていた
連日、寒い寒いの書き出しで申し訳ないが――沖縄の春季キャンプを観始めて10年、こんなに寒いのは初めてだ。
しかしロッテがキャンプを張る石垣島は那覇から南西に400km、台湾の方が近い亜熱帯の島だ。例年、この季節でもタクシーに乗ると冷房が効いているのだが……。なんと、気温は12度。寒さは半端ではない。異常気象にもほどがある感じだ。
朝9時、いつもならすでに気温が上がり、Tシャツ1枚のファンも見かけるものだが、風も強く、ダウンを羽織った人が多い。
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そんな中、メイングラウンドの「ロートスタジアム石垣」で、「アーリー(早出練習)」が始まった。
2024年、明治大からドラフト1位で入団した、上田希由翔が、三塁でノックを受けている。根元俊一コーチのノックバットが繰り出すゴロを黙々とさばいている。この日の上田は9時から1日出ずっぱりの印象だ。三塁のポジションを虎視眈々とうかがっている印象だ。
この時点ですでに、観客席にはお客が入りつつある。ロッテファンは、この南の島まで大挙して訪れる。千葉県ではJTBの「ロッテ春季キャンプツアー」が人気になっているそうだ。
ようやく10時前になって、メイングラウンドでは野手組のアップが始まる。身体が温まるまで時間がかかるから、選手たちもゆっくりと体を動かしている。そしてベースランニング。和田康士朗が軽快に塁間を走っている。昨季は、ソフトバンクの周東佑京が韋駄天リードオフマンとして初めて規定打席に到達し、ベストナイン、ゴールデングラブを獲得したが、和田も2021年に規定打席未達で盗塁王を獲得するなど、同じ韋駄天タイプ。今年こそは1番に定着したいところだろう。
昨年まで、ロッテは主力組もファームも石垣島で春季キャンプを始動した。しかし今季から、ファームは宮崎県都城市でキャンプを張ることになった。昨年までは、主力組がメイングラウンド、ファームが道路を隔てて東側にある第二球場でトレーニングをしていたのだが、今年から投手組が第二球場を使用することになった。
育成から復帰した石川歩、250S射程の益田も
第二球場では主力投手がキャッチボールをしている。
長髪、髭の懐かしい顔を久々に見た。