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藤澤五月がポツリ「私の責任だったかな…」ロコ・ソラーレはなぜ負けたのか?「日本選手権を勝つのは難しい」背景に国内の“競争激化”
text by

松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph byAFLO
posted2025/02/10 17:03
日本選手権では準決勝敗退となったものの、ロコ・ソラーレは代表決定戦への進出を決めた
「日本選手権を勝つのは難しい」選手の本音
2年ぶりの日本選手権優勝はならなかったが、今大会はミラノ・コルティナ五輪の日本代表決定戦へ進むための舞台でもあった。
決定戦に出場するための条件は下記の通り定められていた。
*2024年日本選手権優勝(=同年世界選手権出場)
*2025年日本選手権優勝(=同年世界選手権出場)
*世界ランク最上位(日本選手権決勝3日前時点)。2024、2025年日本選手権いずれか3位以内が条件
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SC軽井沢クラブが昨年優勝し、代表決定戦進出をすでに決めている。昨年の日本選手権で3位以内に入れなかったロコ・ソラーレは、優勝すれば決定戦に、優勝できなくても世界ランク5位と日本勢最上位のため今大会で3位以上になれば決定戦進出が決まる。裏返せば、3位以内になれなければオリンピックへの道は断たれていた。その条件をクリアし代表決定戦に進めたことが何よりも収穫だ。
むろん、サードの吉田知那美が「オリンピックトライアルという大きなチケットとでっかい課題をもらったという感じがします」と言うように、宿題も残された。
藤澤は言う。
「ここ数年、グランドスラム(世界ランキング上位のチームしか参加できない最高峰のカーリング大会シリーズ)に日本のチームが複数出るのが当たり前になってきていて、どのチームも世界トップに届くチームを目指してやっています。そんな中で日本選手権を勝つのは難しいです」
ロコ・ソラーレでさえ、国内で勝ち切るのは難しい
上位同士なら、少しショットの精度が下がれば、それが隙となる試合も少なくなかった。リードからセカンド、サードとつないでいく中で決めきれないショットがあれば、最終投に大きな負担となるケースもある。それも国内レベルの向上を示しているし、オリンピックで2つのメダルを獲得したロコ・ソラーレをしても、わずかなほころびがあれば勝ち切るのは簡単ではない現状がある。決めきれなかったショットの原因、さらに大会へ向けてのコンディション面はどうだったか、さまざまな課題が残った。

