「ルイはコーチにとって最高の選手」…なのに、なぜ八村塁はトレード要員？「1700万ドルの高額年俸が焦点」優勝狙うNBA名門レイカーズの宿命 

　今シーズンからレイカーズのヘッドコーチに就いたレディックは、八村のそんな姿勢を高く評価している。八村について聞かれるたびに、繰り返し、献身的な姿勢を称える言葉を繰り返している。

　たとえば、12月半ばにはこう言っていた。

「ルイは私たちが与えたチャレンジ、すべてに応えてくれている。求めたことを遂行するという点では、どの選手よりも安定してやっている選手だ」

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　八村の弱点とされるディフェンス面についても、こう続けた。

「試合の映像を見返してみると、オフボールでも彼は多くの場合、正しいことをしている。私たちが求める役割、責任、システム、戦術といった面で、とにかく誰よりも忠実にやっている。文句も言わずに。コーチにとってすばらしい選手だ」

八村への信頼を口にするJJ・レディックHC（右）　©︎Getty Images

　1月半ばに八村について聞かれたときにも、こう言った。

「ルイは、コーチにとって最高の選手。彼の気持ち、意図はいつでも正しいところにある。チームを助けたいと思っている。どんな試合でも勝ちたいと思っている。とてもいいお手本だ。活躍する試合もあれば、うまくいかない試合もある。そういうものだ。それでも、彼は試合に対抗しようとはしない」

八村がレイカーズで実感する“成長”

　確かに、個人の数字が伸びないような試合でも、八村はチームの戦術を無視して無理に得点を取りに行こうとすることもない。スタッツが伸びることで個人評価が上がる世界ではあるものの、それよりは求められた役割の遂行を優先しているのが、試合中のプレーを見るとよくわかる。それを物足りないと思うファンもいるかもしれないが、少なくともレディックHCをはじめとするコーチ陣は、そういった八村の姿勢を高く評価している。そういう環境だからこそ、八村も「ここが大好きだから」と迷いなく言えるのだろう。

　チームメイトたちとのケミストリーがいいのは、そのための努力を重ねてきたからだ。

「ロールプレイヤーとしてやっているなかで、（試合の）フィルムももちろん見ていますし、レブロンやAD（デイビス）といっしょにプレーして、こういうときにはもっとこれができたとか、こういうときにはこれをあまりやらないようにとか、そういうところを考えながらやっています。そこは自分のなかで得意なものだと思ってやっているので、続けていきたいなと思います」

レブロン・ジェームズ（左）と談笑する八村塁（写真は2024年）©︎Getty Images

　そんな努力を続けてきたことで、選手としても、人間としても成長していることを痛感しているという。

「ここに来て、バスケットボール選手としても、人間としても、とても成長したと思います。レブロンやAD、オースティン（・リーブス）たちといっしょにやってきて、色々なことを学んだすばらしい2年間でした。もちろん、ローラーコースターのようだったけれど、NBAとはそういうところで、僕のキャリアもそうです。でも、いつでもその経験から成長することができています。すばらしいプロセスだったと思います」

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