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「ルイはコーチにとって最高の選手」…なのに、なぜ八村塁はトレード要員?「1700万ドルの高額年俸が焦点」優勝狙うNBA名門レイカーズの宿命
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宮地陽子Yoko Miyaji
photograph byUSA TODAY Sports/Reuters/AFLO
posted2025/02/02 06:01
トレードの期限まで1週間を切ったNBA。再び八村塁に移籍の噂が飛び交っている
八村が2023年にロサンゼルス・レイカーズにトレードになって、1月23日で2年がたった。この2年の間に八村はすっかりロサンゼルスの街の一員となり、レイカーズというチームに愛着を感じるようになっていた。
トレード2周年を前に、古巣のワシントン・ウィザーズがロサンゼルスを訪れたが、移り変わりの激しいNBAでは、選手やコーチ陣も大きく入れ替わっていた。
「コーチ陣もそうですし、選手も知らない人が多い。トレーナーとかは少し残ってるのかな」と八村。「なんていうか、長くやってきたなって思います」
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一方で、2年間所属しているレイカーズには、さらに長くいるような気がするとい
う。
「もっと前からいるような気がして。シーズン的には3、4シーズンぐらいやってる感じがします」
「自分の役割を受け入れ、文句も言わない」
NBA優勝回数17回という輝かしい伝統があるレイカーズでプレーすることは、決して簡単なことではない。レブロン・ジェームズというスーパースターもいて注目度も高く、チーム内外から求められるスタンダードも高い。目標は常に優勝で、それを達成できなかったときは周囲から様々な批判をされる。メディアやファンの間で交わされるトレードの噂も日常茶飯事。単なる妄想話も多く、いちいち気にしていたらきりがないほどだ。どのチームにいてもあることかもしれないが、強くても弱くてもどのチームよりスポットライトを集めるチームだけに、雑音は多く聞こえてくる。
そんな中で八村は、自分でも言うように、昔からいるかのようにチームにフィットしていた。まわりもそう感じているようで、トレード2周年を前にしたある日、アメリカ人番記者のひとりから「レイカーズはやっていくのが簡単なチームではないと思うのだけれど、なぜ君はここでうまくやれているのだと思う?」という質問が出た。すると、八村は間髪を入れずに答えた。
「それは、僕がここを大好きだからですよ。自分の役割を受け入れ、文句も言わない。何でも与えられた役割をやっていれば満足。僕もここで勝ちたいんです。そのことをチームの人たちも知っているし、僕もわかっているんで」

