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「ルイはコーチにとって最高の選手」…なのに、なぜ八村塁はトレード要員?「1700万ドルの高額年俸が焦点」優勝狙うNBA名門レイカーズの宿命
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宮地陽子Yoko Miyaji
photograph byUSA TODAY Sports/Reuters/AFLO
posted2025/02/02 06:01
トレードの期限まで1週間を切ったNBA。再び八村塁に移籍の噂が飛び交っている
とはいえ、それだけコーチ陣やチームメイトたちと理想的な関係を築き、評価されていても、トレードの噂から離れられないのがNBAであり、レイカーズというチームの宿命だ。今も、2月6日のトレード期限を前に、トレードの噂は絶えず耳に入ってくる。
1月30日時点でレイカーズは西カンファレンス5位だが、混戦の西カンファレンスでは少しでも連敗すれば、すぐにプレイオフ圏外に落ちてしまう。さらには、つい最近、チームのエースのデイビスがテレビのインタビューで「あと1、2人補強すれば、優勝を狙えるチームになる」とコメントし、補強に向けたプレッシャーが高まっている。
そして、もしレイカーズがトレードで即戦力になる選手を取ろうとした場合に、代わりに放出される可能性が高いのが八村なのだ。それはチームからの評価とは別に、獲得と放出のサラリーを釣り合わせなくてはいけないというNBAのルールによるところが大きい。レブロンとデイビスという2人のスーパースターがいるレイカーズでは、他の選手の年俸は抑えられており、八村の今季のサラリー1700万ドル(約26億4000万円)はチームでレブロンとデイビスに次いで3番目に高額。そのため、実力ある、つまり高額サラリーの選手を獲得するためには八村を出さざるを得ない状況なのだ。さらに12月のトレードでレイカーズは八村と同じポジションの選手をもう1人獲得しており、ポジションの戦力に余裕があるという状況もある。
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果たして、八村は2月6日が過ぎてもレイカーズのユニフォームを着ていられるのだろうか。それとも、2年前のようにまた新天地に行くことになるのだろうか。
八村の頭の中にも、そんな思いは常によぎっているという。
「それが仕事のあれ(一部)なので……。(トレードのことは)いつも頭の中にはありますけど、その中で、自分がコントロールできないことがあると思うので、自分ができるところをしっかりコントロールしていかなくてはいけないなと思っています」

