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「天才って言われすぎんのも」FW柿谷曜一朗35歳の電撃引退、“元問題児”が愛されたワケ…30歳時に話した「限界が、と思ったら潔く辞めます」 

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photograph byTakuya Sugiyama

posted2025/01/19 11:03

「天才って言われすぎんのも」FW柿谷曜一朗35歳の電撃引退、“元問題児”が愛されたワケ…30歳時に話した「限界が、と思ったら潔く辞めます」<Number Web> photograph by Takuya Sugiyama

35歳で引退を表明した柿谷曜一朗。「ジーニアス」と称されたFWにサッカーファンが惹かれた理由とは

「サッカーをするにあたって、誰でも普通にやるべきことが僕にはできてなかったことが徳島に行ってよくわかりました」

 ただここで“消えた天才”とはならなかったのが、柿谷の非凡たるところなのだが……。

期待に応えるのは俺次第やで

<名言2>
期待に応えるのは俺次第やで。
(柿谷曜一朗/Number826号 2013年4月4日発売)

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◇解説◇
 徳島ヴォルティスでの2年半は、柿谷の人間性を確実に変えた。先輩の働きかけなどもあって副将を任されるなど人間的な成長を経て、2012年に古巣セレッソに復帰。このシーズンに11得点を挙げ、翌2013年もゴールを量産する。

 当時は、ブラジルW杯1年前。アルベルト・ザッケローニ監督率いるチームで課題とされていたのが「1トップ」だった。ゆえにNumber読者のアンケートを実施した際に、日本代表選出を期待する選手の1位に選ばれたのは、覚醒した柿谷だった。とはいえ、本人はこのように語っていた。

「アンケートで僕が1位になっても、まあもちろん嬉しいっちゃあ嬉しいですけど、僕からしたら少し複雑です。周りが薦めて代表入りって入り方は、僕は絶対にしたくない。自分で自分を認めてから入りたい」

 このシーズン、柿谷はこの言葉に応えるかのように21ゴールをマーク。さらには国内組で臨んだ7月の東アジアカップ選手権では、決勝・韓国戦で決勝ゴールを決めるなど得点王に輝いた。この大舞台での強さを買ったザックはその後も招集を続け、同じ“セレッソ組”である香川真司、清武弘嗣らとともにブラジルW杯メンバーに名を連ねることになった。

限界が来たと思ったら…潔く辞めます

<名言3>
自分の中で限界が来たなと思ったら、僕は潔く辞めます。
(柿谷曜一朗/NumberWeb 2020年2月21日配信)
https://number.bunshun.jp/articles/-/842569

◇解説◇
 柿谷はブラジルW杯後も、何かとサッカーファンの心を揺さぶるニュースを提供してきた。

 ピッチ内ではもちろん、アクロバティックなゴールの数々。例えば名古屋グランパス在籍時の2021年には、古巣セレッソ戦でオーバーヘッドキックでゴールネットを揺らす、まるでマンガのようなゴールを決めている。実は前述の2013シーズン以降、リーグで2ケタ得点をマークしたシーズンはないのだが……ゴールの芸術性、インパクトがとてつもなかったのだ。

【次ページ】 30歳…柿谷が語っていたキャリア

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