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「もしも巨人ドラ1じゃなかったら?」松井秀喜がイチローに明かした“ドラフト1位の宿命”と“伝説の5敬遠”「背負ったものは…」《スペシャル対談》
text by
石田雄太Yuta Ishida
photograph byNaoya Sanuki
posted2025/01/17 17:22
イチローと松井秀喜。日本が誇るスーパースター二人の豪華対談が実現した
松井 あの5敬遠は伝説という意味では私にとってプラスだったけど、背負ったものとしてはちょっと余計なものだったんでしょうね。
イチ 僕、甲子園には出たけど2回ともただの初戦負けで、ストーリーなんて何もないからね。いいよなぁ、甲子園のストーリーがあるって……うらやましい。
松井 試合が終わって、明徳義塾の校歌はまったく聞こえませんでした。
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イチ 星稜の応援席からのブーイング、迫力あったね。あれもあり得ないことだった。
松井 でも松坂(大輔)君みたいに圧倒的な結果で作った伝説や、KKコンビ(清原和博、桑田真澄)のように投げて打って勝って作った伝説と違って、私の場合は何にもやってない中で勝手にできあがった伝説ですからね。
今のメジャーの試合を見ていて…
イチ そっちのほうがレアでしょ(笑)。でもあの敬遠は、4球ずつ、5打席で20球を投げるから伝説になるんだよね。現代のように、申告します、ハイ、一塁へどうぞ、なんて敬遠じゃなぁ……。
松井 ドラマ性が違いますね。
イチ 仰る通りです。現代野球でやめてほしいことの一つが、申告敬遠なんだよね。ネクストバッターズサークルにいる選手の屈辱的な気持ちとか、周りがザワザワしたりとか、暴投で試合終了とか、そういうドラマがなくなっちゃう。
松井 あの4球を見てる間に、いろいろと想いを巡らせたいんですよね。
イチ ドラマの中にある選手の感情を想像させてくれない。甲子園でのタイブレークもね。突然、別の試合になってしまう。もちろんMLBのタイブレークなんてもっての外だし、高校野球もそうなっていくと思うと……。
松井 MLBでもベースを大きくしたり、牽制の回数を制限するとか……イチローさん、今のメジャーの試合を見ていて、ストレス溜まりませんか。
<前編から続く>
【続きを読む】サブスク「NumberPREMIER」内の「歴史上あれだけでしょう?」イチローが語った松井秀喜の「うらやましい」と、松井が吐露した「遠いようで近かった」2人の距離感《スペシャル対談》で、こちらの記事の全文をお読みいただけます。