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野球のぼせもんBACK NUMBER
ソフトバンク史上最高のドラフトで“まさかの指名”「千賀滉大や甲斐拓也は質問攻めしていた」育成2位の男が語る“出世組との差”「三軍生活が悔しくて…」
posted2024/12/30 11:03
text by
田尻耕太郎Kotaro Tajiri
photograph by
JIJI PRESS
支配下に柳田悠岐、育成に千賀滉大(メッツ)や甲斐拓也(巨人)がいるソフトバンク2011年入団組。球団史上最高のドラフトとも呼ばれるこの代で、育成2位が中原大樹だった。「そこに彼らとの差があった」。現役わずか4年で引退、三軍でもがいた日々を明かした。【全2回の1回目】
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ソフトバンク2011年入団組といえば、大豊作の育成黄金世代。「育成4位」が現在ニューヨーク・メッツの千賀滉大で、「育成5位」には昨年WBC戦士だった牧原大成が名を連ね、「育成6位」は今オフにFAで巨人へ移籍した甲斐拓也だった。
そんな神懸かり的とも言えるドラフトで、千賀や甲斐より高順位の「育成2位」で指名された中原大樹(32歳)。彼はわずか4年で選手生活に別れを告げており、現在は福岡県糸島市を拠点にキノコの一種である「きくらげ」を栽培する農家を営んでいる。
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「引退して約6年間は引っ越し運送業者で社員として働いて、2020年から今の仕事をやっています」
まさかの指名「おい大樹、かかっとるよ」
立派な体格は、今も現役当時とさほど変わらない。風貌のわりに物腰が柔らかく、人懐っこい笑顔を浮かべるのもあの頃のままだ。身長183cmで体重はほぼ3桁の巨漢。ソフトバンクの育成といえば、昔からとにかく一芸に秀でた選手が獲得対象で、中原も一目見て分かるようにパワー自慢の右の強打者として期待されていた。
プロ入り前、鹿児島城西高校時代には通算36本塁打をマーク。甲子園出場は果たせなかったものの九州の高校球界では屈指の長距離砲としてそれなりに名が通っていた。ただ、ドラフト指名当日のことを思い出すと今もつい笑いがこみ上げてしまう。