なでしこジャパンPRESSBACK NUMBER
「ユイさん、大好きです」“マンCを熟知”なでしこ新監督ニールセンが就任会見で評価も…長谷川唯と藤野あおばがバルサ戦完敗で見せた素顔
text by
中島大介Daisuke Nakashima
photograph byDaisuke Nakashima
posted2024/12/31 11:09
バルサのボンマティとマッチアップした長谷川唯。なでしこジャパンのプレーメーカーはマンチェスター・シティで世界トップクラスの戦いに挑んでいる
バルサは“長谷川の読みの裏”を突いてきた
後半もバルサの攻勢は続いたが、長谷川がボールに絡める機会も増えてきたように感じていた。それでも地力に勝るバルサが後半12分、追加点を奪う。バルサが守備ラインのパス回しから中盤へ楔のパスをあてる、その際に長谷川がアイタナを捨てボランチへプレッシングをかけた。得点を奪わなければならないビハインドの状況、また相手ボランチへのプレス担当の判断ミスをカバーするためもあったか。
ただバルサCBマピ・レオンが、その長谷川の読みの裏をつくパスを前線まで通すと、フリーになったアイタナが守備ラインの裏へ走り込み見事にゴールを決め切った。結果的には、両チームの支配者同士の勝負に軍配が上がった瞬間となった。
後半22分、バルサはこの日サブスタートのアレクシアを投入。大きな歓声に包まれピッチへ入ったアレクシアは、投入からわずか2分でボックス外から豪快なミドルシュートをねじ込む。これが勝負を決するバルサの3点目となった。
ADVERTISEMENT
終盤に藤野は持ち場を右サイドへ変更。サイドで攻撃の起点となったが、ゴールを奪うには至らなかった。
「最後、惜しかったね」で終わらない戦いを
3-0という結果以上にバルサ強しを知らしめる内容となったが、バルサのハイプレスに対応できない中でも、最終ラインからパスを繋ぐ自分達のサッカーを貫こうとしたシティだったが、 藤野のポジションチェンジ等々、対バルサにおいて試合の中での切り替えも必要だったか。ただこの試合で2枚の交代しかしておらず、怪我人の多さに泣かされた部分もあった。
終了のホイッスルと共にヘアバンドを外した長谷川は、放心したような表情で悔しさを滲ませた——。
冒頭で触れたニールセン監督は「日本が世界のトップに返り咲くことを目指す。そのためのタレントも揃っている」、「“最後、惜しかったね”で終わるのではなく、本当の意味で勝つことができるようなチームを作るためにスタッフともいろいろ議論していくことになります」とも語っていたという。
なでしこジャパンに名を連ねる彼女たちは新監督からの期待を受けつつ——2025年も欧州各地での戦いに身を置く。