「えっ！と思った。どうしようかと。プロ入りしてずっとお世話になった。ありがとうございました。お疲れ様でしたの言葉しかとっさには思いつかなかったけど、本当にいつもボクの怪我の事を心配してくれた。元気になった姿を見せられたらと思う」

　現在は左腕も順調に回復し、来年2月のキャンプ期間中の投球練習再開を視野に入れている。

“弟子”たちが日本シリーズで躍動

「とても順調なので、もうちょっと早くいけるかもしれないです。あとは病院の先生がOKしてくれたら」と本前の表情は明るい。それは左腕に確かな感覚があるからだ。

「投げていないからですけど、左肩の可動域が人生で一番いい状態。これは凄い球が投げられるかもしれないと思えている」と笑う。

　今年は和田の下で長崎自主トレを行ったメンバーからホークス前田純投手、松本晴投手などがプロ初勝利を挙げ日本シリーズにも登板した。テレビで見た本前はあらためてエネルギーが湧き上がってきたという。

復活へ…伝えたい感謝の思い

「自分も頑張らないといけないと思いました。一緒に自主トレをしたメンバーはみんな活躍している。身体の使い方を一人一人見ていて、色々とアドバイスをしてくれる。和田さんは凄いなあと、改めて思いました」

　まだリハビリは続く。しかし、確かに明るい未来が見えている。色々な人が励ましてくれた。応援してくれた。だから前を向けた。

　大手術からの日々は孤独ではなかった。お笑いライブに招待をしてくれた「NONSTYLE」石田明さんをいつかZOZOマリンスタジアムに招待したいと考えている。そしていつも優しく見守り、心配し続けてくれた和田にはマウンドで躍動する姿を見せたいと思っている。感謝の気持ちを込めて、思い切り腕を振る姿を見せる。