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「濃すぎる1年ですね」2回連続代表“追加招集”の男・関根大輝は重圧のたびに成長する…目標「プレミア、CL、W杯」へ「全てを出し切ります」 

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二宮寿朗

二宮寿朗Toshio Ninomiya

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photograph byTakuya Nakachi/JMPA

posted2024/11/09 11:02

「濃すぎる1年ですね」2回連続代表“追加招集”の男・関根大輝は重圧のたびに成長する…目標「プレミア、CL、W杯」へ「全てを出し切ります」<Number Web> photograph by Takuya Nakachi/JMPA

パリ五輪では4試合中3試合に先発出場した

 静岡学園ではセンターバックを務め、サイドバックになったのは拓殖大1年時のリーグ戦後期から。未経験のポジションを、紅白戦でいきなり告げられたという。

「ちょいちょい“サイドバックやれるか?”みたいに軽く聞かれたことはあって“やったことはないけど多分やれます”みたいな話はしていました。センターバックには不動の先輩2人がいて、その人たちが卒業するまでは難しいのかなと思っていたんです。そんなとき紅白戦で右サイドバックに急に入ることになったら、アシストできて案外プレーが良くて。もうそこからはずっとサイドバックで使われるようになりました。楽しいなって思いましたね。攻めにも行けるわけですから」

 前向きに切り替えられるマインド。

 187cmの長身サイドバックは足もとの技術もあり、スピードもあって頭角をあらわしていく。全日本大学選抜に選ばれ、パリオリンピック代表を率いる大岩剛監督の目に留まる。3年時の5月には柏レイソル加入が早くも内定。翌月の欧州遠征に初めてU-22日本代表メンバー入りして試合にも出場し、オリンピックが現実目標になった。そのステージに上がったら、そこで満足するのではなく意識をそのレベルに合わせられるのが関根の良さである。

「レイソルに1年前倒しで入るしかない」

 欧州遠征から3カ月後、大学生中心のメンバーで臨んだアジア競技大会では韓国代表との決勝戦に1-2で敗れた。イ・ガンインも加わったU-24代表で臨んだ韓国に対して健闘したとも言える。しかし基準を既に上のレベルに置いていた関根の心は失意に溢れた。

「韓国戦は何もできなかったという思いしかありません。オリンピックに出ることを本気で考えるなら、レイソルに1年前倒しで入るしかないと思ったんです。拓殖大の玉井(朗)監督はじめコーチ、部長、スタッフ、みなさんに快く送り出してもらって。真剣に取り組んでオリンピックのメンバーに入って、活躍して恩返しじゃないですけど、感謝の気持ちを伝えたいという思いが強くなりました」

 へこむ時間なんてもったいない。うまくいかなかったら切り替えて、目標に向かって真剣にやっていくだけ。1年早くレイソルに加入すると、キャンプから全身全霊でぶつかって開幕レギュラーの座を射止める。試合で課題が分かったら、すぐに修正して次に向かうその繰り返し。レイソルでも、そしてU-23代表でも欠かせない存在となっていく。

【次ページ】 アーセナルのベン・ホワイトみたいに

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