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「何がバロンドールだ」前代未聞の“事前漏れ騒動”ビニシウス落選に王国ブラジルや名将激怒…マドリーは授賞式ボイコット「敬意を欠いている」 

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沢田啓明

沢田啓明Hiroaki Sawada

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photograph byAFP/JIJI PRESS

posted2024/11/03 11:00

「何がバロンドールだ」前代未聞の“事前漏れ騒動”ビニシウス落選に王国ブラジルや名将激怒…マドリーは授賞式ボイコット「敬意を欠いている」<Number Web> photograph by AFP/JIJI PRESS

2024年のバロンドールは1位ロドリ、2位ビニシウスという結果に。納得していないのは王国ブラジルとレアル・マドリーだ

 2018年以降、女子の世界最優秀選手、男子の最優秀ヤングプレーヤー賞(U-21)、男子の世界最優秀GK、男女の世界最優秀クラブ、男女の世界最優秀監督なども表彰している。選考するのは、男子のFIFA世界ランキング100位までの国のジャーナリストである。

 近年、賞の数が大幅に増えたものの、最大の注目を集めるのはやはり男子の世界最優秀選手賞だ。

 過去、アルゼンチン代表FWリオネル・メッシ(現インテル・マイアミ)が最多の8回、ポルトガル代表FWクリスティアーノ・ロナウド(現アルナスル)が5回受賞しているのが双璧だ。2011年に澤穂希が女子の世界最優秀選手に選ばれたが、これはバロンドールではなくFIFA選出。当時、女子のバロンドールはなかった。

 ブラジルからは、これまでロナウドが1997年と2002年の2度、リバウド(1999年)、ロナウジーニョ(2005年)、カカ(2007年)が1度ずつ受賞しており、ビニシウスが受賞すれば17年ぶり延べ6度目となるところだった。今年の賞には、予め30人がノミネートされていた。国籍の内訳はスペインとイングランドが6人で最多で、ドイツが4人、フランス、アルゼンチン、ポルトガル、ノルウェーが各2人。1人の国が6カ国あった。

 ちなみに、女子はスペインとアメリカが5人で最多。日本からは、MF長谷川唯(マンチェスター・シティ)がノミネートされ、結果は26位だった。

 なお、今年の賞は男女の世界最優秀選手がロドリとMFアイタナ・ボンマティ(バルセロナ、スペイン代表)、男女の世界最優秀監督がアンチェロッティ(レアル・マドリー)とエマ・ヘイズ(チェルシー)、男女の世界最優秀クラブがレアル・マドリーとバルセロナ、男子の世界最優秀GKがエミリアーノ・マルティネス(アストンビラ、アルゼンチン代表)、男子の世界最優秀ヤングプレーヤーが17歳のヤマルなどで、賞の多くをスペインのクラブや選手がさらった。

事前漏れは主催者側、ボイコットはクラブ側の…

 今回の騒動について、筆者は受賞者の名前が事前に漏れたのは主催者側の重大なミスであり、受賞の有無は別として、クラブが出席をボイコットしたのはスポーツマンシップに反すると考える。

 ともあれ、人間性はさておき、純粋なスポーツの観点からはビニシウスが受賞に値したと考えており、レアル・マドリーのボイコットと合わせ、二重に残念だった。また、ビニシウスに関しては、彼が努力を重ねて貧しい出自から這い上がり、なおかつスペインで受けてきた人種差別に耐えて現在の地位にまで上り詰めたことを日本のファンにも理解してもらえたら、と思う。

 

 ただし、ブラジル人たちはビニシウスが受賞を逃したことは別として、世界最優秀選手へノミネートされた各30人のうち、男子がビニシウス1人で女子が2人、男子の世界最優秀ヤングプレーヤーにノミネートされたのもFWサビーニョ(マンチェスター・シティ)わずか1人だったことを問題視すべきか。

 日本も、近年、欧州クラブで活躍する選手が男女共に激増したのは事実だが、それでも男子では全カテゴリーで誰ひとりノミネートされず、女子でも長谷川だけがノミネートを受けたことを重く受け止めるべきだろう。

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