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久保建英がマドリー戦後ファンに謝罪も…「エムバペとビニシウスはタケに手を焼いていた」カメラマン、久保本人が感じた「悪い中での好材料」
posted2024/09/19 17:01
text by
中島大介Daisuke Nakashima
photograph by
Daisuke Nakashima
古巣レアル・マドリー戦後、サポーターの前へ進んだ久保建英は、両手を合わせつつ空を見上げ、悔しさを表情に表した。
その白いユニホームから、白い巨人などと称されるマドリーは、昨季リーガ優勝だけでなくCLも制覇した、現欧州チャンピオンである。だからこそ0−2でのマドリーの勝利、その試合結果は大方の予想通りだった。
ただ、今季パリ・サンジェルマンよりフランス代表エースのキリアン・エムバペが加入し、さらに攻撃色を強めた相手に、ソシエダは互角の戦いを繰り広げた。
両チーム共にシュート数が10を超えた熱戦は、それでも善戦実らず、今季ホーム初勝利を挙げることができないまま、ソシエダメンバーは肩を落とすこととなった。
試合後、じっとサポーターを見つめた久保は、頭を下げて謝意を示した。その振る舞いには、チームを勝たせることができなかった、その責を一身に背負うかのような強い気概が滲み出ていた――。
モドリッチのプレスもギリギリでかわす技能
9月14日、ラ・リーガ第5節、ソシエダ対マドリー戦撮影のためスペイン北部サンセバスチャンへ向かった。
この日の最高気温は20度、街行く人々はトレーナーやジャケットを羽織り、すでに秋の訪れを感じさせる。ただ快晴の日差しは強く、日向のテラス席で飲むビールが美味しい。
この日はマドリー戦、キックオフは21時だったが、すでにお昼時には青と白のユニホームをまとった多くのソシエダサポーターの姿が街中にあった。また試合直前のスタジアム周りでも、サポーターが集まりいつも以上の気合を感じさせていた。
ここまで1勝1分2敗と低調なソシエダだったが、王者相手に序盤から主導権を取りに出る。開始早々には、久保が積極的にドリブルで切り掛かると、ビニシウス・ジュニオールがたまらずファールで阻止した。
また敵陣右サイド奥深くまで相手を押し込むと、マークにつくルカ・モドリッチの間合いを見切ったかのようにスレスレでかわし、また相対する左サイドバックのフェルラン・メンディにも果敢に勝負を仕掛けた。
相手DFルティガーに手を差し伸べる場面も
試合序盤でも、久保は存在感を発揮した。絶妙な立ち位置を取ると、相手守備ラインから前線へのパスを掻っさらうことに成功。冷静に守備者を引きつけると、走り込むルカ・スチッチへとパスを通し絶好機を演出した。