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「クボ先発じゃないの? 何でか知らないけど」驚く相手ファン…久保建英はキレキレでも「監督の采配後、表情と流れが…」カメラマンは現地で見た
posted2024/11/02 17:02
text by
中島大介Daisuke Nakashima
photograph by
Daisuke Nakashima
10月27日、ラ・リーガ11節、久保建英が所属するレアル・ソシエダ対オサスナ戦の撮影のため、スペイン・バスク州のサンセバスチャンを訪れた。
なんでか知らないけど、クボがいないのは良いことだ
バスクダービーといえば、ソシエダとビルバオによる戦いが一般的となるが、このソシエダ対オサスナ戦もバスクダービーと謳われることも多い。
ただスペインの牛追い祭りで有名なオサスナの本拠地パンプローナは、ナバラ州にあり厳密にはバスクダービーとは言えない。それでも、バスク州とナバラ州が隣接していること、特にバスク東端のサンセバスチャンは州境にあるという地理的要因が強く影響している。
「いやいや、これはナバラダービーだろ」
こう言うオサスナファンはいるかもしれないが、お互いダービーに異論はないはず。
それぞれの街には仕事のために居を移している人たちも多く、友好的なダービーとなる。この日も、観客席を眺めてみると、家族同士、友人同士でそれぞれのユニホームを纏った姿が簡単に見つけられた。
話を聞いてみると「勝った方が、ビールを奢るんだよ」と、幸せな賭けが成立しているようだ。
今季ヨーロッパリーグを戦うソシエダは、週中に敵地で行われたマッカビ・テル・アビブ戦(戦禍の影響で中立地のセルビア開催)から、中2日で今節を迎えた。マッカビ戦に先発し75分までプレーした久保は、過密日程が考慮されたローテーション起用でサブスタートとなった。
オサスナファンは「なんでか知らないけど、Kuboがいないのは良いことだね。ビールを奢ることになってしまうかもしれないけど」と笑顔でコメント。
後半開始から投入…久保の表情に気迫が漂っていた
現地21時にキックオフされた試合は、青と白を纏ったホームチームが主導権を握った。中盤のブライス・メンデス、ルカ・スシッチを中心に、左からはアンデル・バレネチェア、久保の定位置に入ったキャプテンのミケル・オヤルサバルが右から攻撃を組み立てていった。
しかしホームチームは、相手のCKから先制点を許すと、カウンター攻撃からも得点を許し、前半のうちに2点のビハインドを負ってしまう展開となった。
するとソシエダ指揮官イマノル・アルグアシルは、すかさず久保にアップの指示を出す。