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「肉体美とゴミ拾い」久保建英の進化はスーパーゴール、ドリブルだけでなく…「(大災害に)心苦しいです」カメラマンが見た日本代表FWの人間味

posted2024/11/07 17:00

 
「肉体美とゴミ拾い」久保建英の進化はスーパーゴール、ドリブルだけでなく…「(大災害に)心苦しいです」カメラマンが見た日本代表FWの人間味<Number Web> photograph by Daisuke Nakashima

今季3ゴール目を決めた久保建英。勝利を呼び込むスーパーゴール以外にも彼の人間味が見える一戦となった

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中島大介

中島大介Daisuke Nakashima

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Daisuke Nakashima

 サッカー日本代表11月シリーズに招集されたFW久保建英。セビージャ戦では鮮やかなスーパーゴールを叩きこんだが、現地で撮影するカメラマン中島大介氏は“様々な変化”を感じたという。プレーと人間味を間近で見た、ピッチレベルからのレポート。

“5人の壁”を打ち破る一撃と、その伏線

 11月3日に行われた、ラ・リーガ12節のセビージャ対レアル・ソシエダ戦。

 この試合、先発出場したソシエダ所属の久保建英は、敵陣右サイド深くでパスを受けると、スピードを殺さぬまま細かいタッチでゴール方向へドリブル。ボックス内へ侵入するタイミングで左足アウトサイドを使ってカットイン、急激な進行方向の変化で追い縋る相手を振り払った。

 そして迷わず振り抜いた左足から繰り出された強烈な一撃は、相手GKに反応する猶予も与えず、ファーサイドゴールネットへ突き刺さった。目の前には、GKを含めた5人が壁のように立ちはだかっていたが、一縷の隙を見逃さず、待望の先制点をチームにもたらした。

 久保のゴールへの布石はあった。

 キックオフ早々の3分、同じ形でゴール前へ迫った久保のシュートは、相対した相手左SBアドリア・ペドロサにカットされていた。

 一方で34分のゴールシーンで久保は、先のシュート位置でシュートフェイントとも取れないほどの小さなアクションを入れることで、ペドロサのスライディングを誘発し、地面に横倒すことで完全に無効化。ゴール正面で一瞬とはいえフリーの状況を作り出しシュートを打ち込んだ。

レンズ越しに“久保の変化”を感じていたワケ

 ここ数試合、カメラマンとしての立場から、久保のプレーに変化を感じていた。

 通常サッカーの撮影では、メインとなる超望遠レンズに加え、中域帯をカバーするサブレンズでボックス内のプレーを狙う(さらにもう一台の広角レンズもあり、スポーツ撮影は重労働……)。

 あくまで個人的な感覚だが、ここ数試合でのサブレンズでの撮影枚数が明らかに増えていた。

 利き足の逆サイドでプレーする久保は、右サイドでボールを受けた際に、縦の突破やタッチライン側をえぐるようなドリブルではなく、タッチラインから離れていくようなプレースタイルが多くなる。

 必然、選択するカメラレンズは超望遠となることが多かった。

 しかしここ最近の変化は、久保が縦への突破から右足でのクロスもしくは、タッチライン沿いをえぐるドリブルを多用したことからくる。意図的にプレースタイルを変えていると思わせるほどの変化で、この試合でもそのような写真が増えた。

【次ページ】 “えぐるドリブル”がターニングポイントに

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