熱狂とカオス!魅惑の南米直送便BACK NUMBER
「ザイオン、久々に大仕事だね」ブラジル人記者が選ぶサウジ戦MVPは鎌田大地でも鈴木彩艶でもなく…「相手、倒れすぎ。韓国レフリーは公平だ」
text by
沢田啓明Hiroaki Sawada
photograph byTaisei Iwamoto
posted2024/10/13 17:09
鬼門と言われた敵地サウジアラビア戦も2-0で勝利。ブラジル人記者も現在の日本代表は史上最強と認めている
「相手が先制を許し、反撃してきたのを受けてしまった。中盤の攻防で後手に回ったし、ボールを奪ってもパスミスなどですぐにボールを失い、相手の攻撃が延々と続いた。
ただ、3本連続でシュートを打たれた場面で、3人、4人の選手が体を投げ出して防いだのは素晴らしかった」
――42分には日本の右サイドを突破され、強烈なシュートを浴びた。GK鈴木彩艶のファインセーブで辛うじて失点を免れました。
「サウジアラビアの左ウイングのサレム・アルドサリは、非常に危険な選手だった。彼に3人抜かれ、クロスを入れられ、右サイドバックのサウド・アブドゥルハミドがゴールを狙った。本当に危なかった。ザイオンは前の2試合ではほとんど仕事がなかったけれど、久々に大きな仕事をしたね(笑)」
酷暑…大変だったと思うけどサウジの方が“バテてた”
――後半開始時から、森保監督はMF南野拓実に代えて伊東純也を投入します。
「南野は前半のうちにイエローカードを受け、その後も相手選手の挑発を受けて少しエキサイトしていた。プレー内容もやや低調だったから、この交代は妥当だったと思う。それと同時に前半、ウイングバックとしてアルドサリをマークする時間が長かった堂安をシャドーに上げ、フレッシュな伊東をウイングバックへ入れたのは妥当だった」
――後半に入って、日本はやや引き気味になった。
「リードしていたし、エネルギーの消耗を防ぐためでもある。それでも、前半最後の20分のように大きなピンチを迎える場面は、終盤まではなかった。相手にボールを持たせながらも最終ラインの前で跳ね返し、カウンターを繰り出して押し戻していた」
――その後、徐々にサウジアラビア選手のスピードと運動量が落ちたように見えました。
「そうだね。日本選手も大変だったと思うけど、むしろサウジアラビア選手の疲労が目立った。試合前、ロベルト・マンチーニ監督がコメントしていたように、国内クラブが世界的なスター選手を次々に補強してあおりを受け、代表選手の多くが出場機会を減らしている。その影響が出たんじゃないかな」
いつも通りの交代でも、リードしてるからそれでOK
――その後の森保監督の選手交代をどう思いましたか?
「トップ下の鎌田の代わりにスピードが特長の前田大然を入れてウイングバックに置き、ウイングバックだった三笘をトップ下へ上げた。その後、CFを上田綺世から小川航基に代え、終盤に三笘と堂安の代わりに久保と中村敬斗。いつも通りだけど、リードしていたからこれで良かったと思う」
――そして後半36分、小川が右CKを頭で決めた。