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15歳の大谷翔平と対戦「体重83kgの“巨漢中学生”だった」ロッテ・澤田圭佑が今も忘れられない「消えたスライダー」「大谷、藤浪、由伸の共通項」
text by
梶原紀章(千葉ロッテ広報)Noriaki Kajiwara
photograph bySANKEI SHIMBUN
posted2024/10/10 11:38
大阪桐蔭高校時代の澤田(右)と同級生の藤浪
テレビの向こうで行われていたのはドジャースタジアムでのドジャース対パドレスの地区シリーズ第1戦。この試合で大谷は2回の第2打席で同点3ランを放つなど活躍を見せていた。テレビでは何度もそのシーンが繰り返し紹介された。澤田はその映像を静かに見つめていた。あれから長い時間が経過しお互い立派な大人になっているが、どこかあの日の面影を感じることが出来て懐かしい。活躍する姿に刺激を受け、いつも見えないエネルギーを充電しているような気分になる。
伝説の投手から受けた刺激
澤田は今、野球中心の日々を送っている。「寝ている時間以外はほとんど野球の事を考えています。野球中心に過ごすようにしている。そうしないともったいない。それは一度、ケガをしてリハビリをしている時に気が付いたことでもあるし、大谷、藤浪、(山本)由伸、そしてこれまで出会った様々な伝説の投手たちの姿に接して気が付いたことでもある」と言う。
今年のレギュラーシーズンは、途中で不調の時期もあり、登板21試合で2勝8ホールド(防御率3.60)という結果になった。不完全燃焼といえる。それでも今、万全の状態を取り戻し、一軍ブルペン陣の一角としてCSに挑むことができる。
海の向こうで大谷はスーパーヒーローのように大暴れしてチームを牽引している。そんな姿に、マリーンズの背番号「66」も燃えている。今も頭に焼き付いている、中学時代のあの夏の日の記憶。15年経った今も大一番のマウンドに上がれる幸せを噛み締めながら、澤田はマリーンズを日本一へと導くピッチングを披露することを思い描いている。