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「タケのゴールすごかったね」スペインの少年興奮も…日本代表で躍動・久保建英と低調ソシエダの葛藤「主将をなだめてインタビュー」カメラマンは見た
text by
中島大介Daisuke Nakashima
photograph byDaisuke Nakashima
posted2024/09/14 17:00
日本代表からソシエダへと戻る久保建英。マドリー相手の一戦で、日本代表でも見せた躍動ぶりを見せられるか
久保がやや不服の表情を見せた“意外な注意”とは
前述した通り低調なソシエダは、開始から20分近くを自陣に押し込められたままゲームが進んだ。
その中で特筆するとしたら、着用していた白色のインナースパッツを注意された久保が、ゲーム中に着替えのためロッカーへ戻らなければならなかったことか。
短めのスパッツで、ズボンからはみ出していなかったこともあり、久保はやや不服の表情を浮かべていた。
ピッチへ戻った久保だったが、なかなかボールを受けることができなかった。これは久保が不調というよりは、チームとして久保までボールを運べなかったという方が正しかっただろうか。
久保の古巣であるヘタフェはホセ・ボルダラス監督の下、激しさを伴った前線からの守備を基盤としている。
対するソシエダは、4-3-3もしくは久保を含む両サイドがやや下がりぎみになった4-1-4-1のシステムを取り、守備ラインより1ボランチのマルティン・スビメンディへボールを繋ぎ、ゲームを展開するチームとなる。相手の前線からのプレスによりスビメンディへのパスを封じられたソシエダは、攻撃の方向性を失ってしまった。
今シーズンのソシエダは、昨季までの主力でありユーロ優勝メンバーでもあるMFミケル・メリノ、CBロビン・ルノルマンが移籍でチームを去った。さらに前半のうちにブライス・メンデスまで負傷で失うと、中盤の構成力の低下は顕著に。前線の久保までボールを届けることができずにいた。
久保はラフプレー気味に来る相手にも果敢だった
それでも久保は、ラフプレー気味にくる相手に対峙してもボールを要求し続け、果敢に立ち向かおうとしたのだが……。
試合を通し数えるほどしかなかったとはいえ、ボールを受けた際には、相対した元ソシエダのディエゴ・リコをかわし切ることができず悔しさを露わにしている。そして自身の良さを発揮することができぬまま、久保は後半15分にピッチを後にした。さらには久保の相棒ともいえる右SBのアマリ・トラオレも負傷により交代を強いられている。
終盤に入りソシエダ指揮官イマノル・アルグアシルは、新加入オスカルソンを投入するも流れを変えることはできなかった。
ホームチームの地の利を活かしたヘタフェに対して、16本のシュートを浴びる猛攻を受けたソシエダだが、なんとか持ち堪えると無得点ドローでゲーム終了を迎えた。