それから最初のふたつの失点は、DF陣がショートパスをつなごうとしたところを奪われて喫したものだが、どちらのシーンでも菅原に直接的な落ち度はなかったと思える。2失点目の場面では、確かに菅原のポジションがオンサイドだったが、その前にゴールは決まっていたようなものだ。3失点目の際は、CKからのボールにニアサイドで競り合いながらも、綺麗なフリックを許しているので、本人は責任を感じていることだろう。

ファンも「今夏最高の新戦力だ」

　ただし英国メディア『メイル・オンライン』は、この日の菅原を6.5と採点し、サウサンプトンではアリボと並ぶ最高評価を付けている。また地元紙『サザン・デイリー・エコー』紙には、代表戦ウィークに入ったところで『サウサンプトンのファンを愛している。彼らにもっと愛されるようになりたい』と題した菅原の記事が掲載され、これを読んだファンのひとりは「うちの今夏最高の新戦力だ」とコメントしている。

菅原は港町サウサンプトンでさらなる地位の向上をできるか　©Getty Images

　気立ての良いニューカマーは、港町サウサンプトンで早々と居場所を築き、プレミアリーグという厳しい海原へ漕ぎ出した。理想を掲げる船長のもと、セインツは荒波を掻い潜って残留という目的地に辿り着けるか。右舷の菅原が、その責務の一翼を担う。〈鎌田編からつづく〉