サッカー日本代表PRESSBACK NUMBER
論点は“不起訴”ではなく…「伊東純也の代表復帰」なぜこのタイミングだった?「彼のために招集しなかった」森保監督の過去発言から読む判断基準
text by
戸塚啓Kei Totsuka
photograph byEtsuo Hara/Getty Images
posted2024/09/01 17:00
アジアカップ以来、7カ月ぶりの日本代表復帰となった伊東純也。森保一監督はいかにして招集の判断に至ったのか
森保監督自ら要望“長谷部コーチ招聘”の狙い
日本代表は9月5日に中国とホームで、同10日にバーレーンとアウェイで戦う。中盤から前線にかけては主力が漏れなくセレクトされた一方で、DFラインは冨安健洋、伊藤洋輝、橋岡大樹らを欠く。それでも、左サイドバックとして今夏にFC町田ゼルビアに加入した中山雄太が選ばれており、CBは板倉滉、谷口彰悟、町田浩樹の3人に加えてパリ五輪に出場した19歳の高井幸大が選出された。右サイドバックには、高い身体能力を備える22歳の望月ヘンリー海輝がピックアップされた。
最前線中央には上田綺世と小川航基、それに細谷真大がアジアカップ以来の代表入りを果たしている。パリ五輪で力強いポストプレーと冷静なフィニッシュを見せた22歳の存在も、森保監督には頼もしいだろう。
スタッフにも強力な人材が名を連ねる。昨シーズン限りで現役を引退した長谷部誠氏が、コーチとして同行することになったのだ。
現在はフランクフルトU-21のコーチを務めている彼の入閣は、森保監督の要望で実現した。選手と同じように各国代表が活動するインターナショナル・ウィンドウに合わせてチームに合流し、最終予選はもちろん2026年の北中米W杯までを見据えているという。
森保監督は、なぜ長谷部氏をスタッフ入りさせたのか。
「長谷部コーチが持っているヨーロッパでの経験は、チームが前進していくうえで間違いなく刺激になる」と言う。「世界の価値観、日本の価値観をミックスして日本代表として最大限力を発揮するために、世界の情報をインプットしてアウトプットをしている。そこに長谷部コーチの経験が最大限貢献してくれる」というのが指揮官の構想だ。
日本代表には名波浩コーチ、前田遼一コーチ、齊藤俊秀コーチがおり、名波コーチと前田コーチが攻撃を、齊藤コーチと下田崇GKコーチが守備を担当している。現役引退直後の長谷部コーチは、選手に近い目線で横断的にアドバイスを送っていく立場になりそうだ。